「大きな音がすると耳を塞いでしまう」
「お風呂のシャワーが苦手」
「遊ぶときはずっと走り回っている」
「砂場遊びが苦手」
などのお話を保護者さまからよく伺います。
このようなお話を聞いたとき、PARCスタッフはまず「お子さまがどうしてその行動をとったのか?」という理由を考えています。
今回は、「お子さまがどうしてそう行動したのか?」の理由を考えるための視点の1つ、「感覚特性」についてのお話です。
感覚特性とは?その人が持つ感じ方の個性
そもそも「感覚」とはなんなのでしょうか?「感覚」と聞くと、
- 視覚
- 聴覚
- 触覚
- 味覚
- 嗅覚
「五感」は身体の外、身の回りの刺激を感じ取るものです。
対して、自分の身体の内から刺激を感じ取る感覚もあります。
- 前庭覚
- 固有感覚
これらは無意識に感じているものなのでイメージが湧きにくいかもしれません。
以下で簡単に説明します。
前庭覚とは?
身体の揺れや傾き、回転、スピードを感じ取る器官です。バランスをとったり、姿勢を保持したりするときに必要な感覚です。
固有感覚とは?
関節の動き方や筋肉の働き具合を感じ取ります。「身体がどれくらい動いたか?」
「身体にどれくらいの力を入れているか?」
などについて、全身の筋肉が情報を受け取っています。
「感覚特性」とは人それぞれの感じ方。正解も不正解もない
人は目や耳で情報を受け取ります。しかし、これらはあくまで受容器であり、見たものや聞いたものを最終的に「認識する」のは脳の役割です。つまり、脳が「どのように認識」するかで感じ方が変わってくるのです。
この感じ方の違いこそが「感覚特性」です。
そして、「感覚特性」は主観的なものなので、正解も不正解もありません。
子どもの「感覚特性」の個性を知る
ここでちょっと質問です。- 苦手な食べ物はありますか?
- ジェットコースターは好きですか?
- 勉強するなら、①静かな図書館 ②少し賑やかなカフェ どちらがより集中できますか?
- 匂いが気になって他のことに集中できないことがありますか?
ご家族の中でも同じ意見・違う意見といろいろあるのではないでしょうか?
中には「これといった答えはないかな?」という方もいるかと思います。
そう、これこそが感じ方、つまりは「感覚特性」の個性なんです!
これらの質問に対する答えが、その人の「感覚特性」を知るきっかけになります。
場面で変わる「感覚特性」
また、「感覚特性」は場面によっても変化します。たとえば、夜道で後ろから急に声をかけられてびっくりした経験はありませんか?
これは「夜道」という状況に不安や緊張を感じていることで、聴覚が普段よりも敏感になっているからなんです。
このように、同じ刺激であっても、その時の気分や体調、感情によって感じ方が変わってくるんですね。
まずは大人が気付き、共感することで子どもは安心できる
「感覚特性」を踏まえると、お子さまが感じている・考えている世界のイメージがつきやすくなったのではないでしょうか?とはいえ、「個性はわかったけど、結局どうしたらいいの?」と思いますよね。
しかし、その個性に気づいたことこそが大きな1歩なんです!
苦手なことを我慢し続けることは、誰にとってもつらいことですよね。
特にお子さまは言葉で上手く伝えられなかったり、そもそも自分自身の苦手に気づいていなかったりすることもあります。
だからこそ、まずは周囲の大人が子どもの苦手に気付き、共感することがお子さまの安心感に繋がります。
まとめ
「感覚特性」とは、体の内外から受けた感覚を「脳がどのように認識するか」ということです。まったく同じ性格の人がいないように、感覚特性にも一人ひとりの個性があります。
その中でお子さまの気になる行動や苦手を発見したときは、ぜひPARCスタッフにご相談ください。
PARCでは、療育スペースを見渡せる位置に「保護者スペース」を設けています。
(保護者スペース)
少し離れた場所からお子さまを見るからこそ、普段気づかなかった姿や表情を見つけられるかもしれません。
そして、その気付きを受けて家族がより安心して日々を過ごせるよう、PARCではサポートしています。
保護者さまと一緒にお子さまの個性を見つけ、ともに考えていけると嬉しいです(^^♪
東大阪市にある「PARCひがしおおさか」では、児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援を行っています。
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