「PARCひがしおおさか」では、8月11日・12日の2日間にはじめての集団療育を実施しました!
記念すべき第1回は、絵の具やスライムを使っての「感覚遊び」です!
この日、入り口から入って真っ先に目に飛び込んできたのは、壁一面に貼られた大きな模造紙と室内プールでした。
いつもとは違った雰囲気の「PARCひがしおおさか」に、集まったみんなはわくわくドキドキ( *´艸`)
まずは遊び方のルールを子ども達たちと共有し、ダイナミック絵の具遊びスタートです!
●ダイナミック絵の具遊びとは?
ダイナミック絵の具遊びは、その名の通り、床や壁など、普段はお絵描きできないようなところにもダイナミックに絵の具でお絵描きしちゃおう!というものです。
もちろん、絵を描くだけでなく、好きな文字や記号を描いても良いですし、手形や足形を付けたり、塗りつぶしてもOK!
とにかく、やりたいことを目いっぱい楽しむのがダイナミック絵の具遊びです。
<今回用意した道具>
- 筆
- ローラー
- ハケ
- スプレーボトル
▼ダイナミック絵の具遊びのねらい
ダイナミック絵の具遊びには、さまざまな”ねらい”があります。
1.道具を操る力を高める
今回は、筆やローラー、ハケなど、持ち方も使い方も違う道具を揃えました。
それぞれ同じ「塗る」という行為でも、肩から腕を大きく動かして広範囲に使うローラーと、細かな所を塗ったり絵や字を描いたりなど、巧緻性を伴う動きがしやすい筆では、身体の動かし方も「こうやって使うといいんだ!」と気づくところも違ってきます。
さまざまな道具に触れることで、それらを操る力を伸ばしていくことに繋がっていきます(^^)/
2.想像力を養う
「どんな色で仕上げるのか」ゴールを考えながら描いていくので、想像力を養うことができます。
また、絵の具は色を混ぜること新しい色を作り出すことができます。
「この色とこの色を混ぜると、こんな色になるんだ!」
「じゃあ、この色を混ぜるとどうなるのかな?」
できあがりの色を想像しながらいろんな色を混ぜ、自分が思っていた通りの色を作ったり、あるいは想像していたものとは全く違った色ができあがったりするなど、想像力が培われていきます。
3.手先や足先の感覚を育てる
筆やハケ以外にも、自分の手や足に直接絵の具を塗って遊ぶお子さまもいました。
最初は恐る恐る絵の具を塗る子も多かったですが、楽しそうに壁や模造紙へ手形・足形を付けていくお友達の姿を見て「自分も!」と、勇気を出して一歩を踏み出している姿に、保護者さまもスタッフも成長を感じることができました♪
絵の具は、触れると「ぬるぬる」していたり、スライムなどとは少し違った「ぐにゅっ」とした感触があります。
なかなか日常で触れることがない感触を手や足で直接感じることで「触覚」を育て、触れた物の情報を収集・整理する能力を高めていきます。
そうすることで、物に触るだけで「これは金属だな」と認識できるようになったり、見ただけで材質や重量、硬さなどの見当がついたりするようになっていきます。
4.コミュニケーション能力を育む
今回は第1回目の集団療育ということもあり、「はじめまして」同士のお友達も多くいました。
初対面で緊張しているため、最初は筆を使って小さく絵を描いていたお子さまもいましたが、徐々に周りの環境に慣れてくると、お友達に積極的に声を掛けてくれる子や、大きく絵を描いているお友達を見て真似をし始める子など、それぞれの方法でダイナミック絵の具遊びを楽しんでくれるようになりました。
また、遊んでいる内に近くのお友達と「わたし、このキャラクターが好きやねん!」「ぼくはこの数字が好き!」と会話が生まれ、自然とコミュニケーション能力を育んでいる場面もありました。
ほかにも、スタッフが着ている白Tシャツにスプレーを吹き付けるときに「かけるで!」と声掛けをしてくれたり、道具を借りる時に「ローラー貸してな!」「ええよ!」と相手と自分の意思を確認し合うことができたりするなど、双方向のコミュニケーションを積極的に取ってくれました。
●発達段階に合わせたスライム作り
今回の集団療育には、年少さんから小学生のお子さまに参加いただきました。
年齢や発達段階も違うお友達がいるからこそ、それぞれの発達段階に合わせて、2つの方法でスライムの材料を揃えてもらうことにしました。
▼年少さんから年中さんのお子さま
年少さん~年中さんのお子さまには、必要な材料が写った写真を見ながら、自分の分の材料をスタッフからもらってくる、という形にしました。
▼年長さんから小学生のお子さま
年長さん~小学生のお子さまには、写真の内容を見て覚えてもらい、ことばや指さしでスタッフに必要な材料と数を伝えてもらうという、という形にしました。
声を出しながら材料の種類や数を確認するなど、それぞれが工夫しながら準備してくれました(^^♪
●スライム遊びのねらい
スライム作り・スライム遊びは、子どもたちから大人気の感覚遊びです。
療育としての”ねらい”は、ダイナミック絵の具遊びと同様、手先や足の「感覚」を育てることを目的としています。
また、今回はもう1つ”ねらい”を取り入れてみました。
それは、誰かの説明を「聞いて」「待つ」という練習です。
大人気だからこそ「早く作りたい!」「早く遊びたい!」と気が急いてしまうお子さまが多いスライム遊び。
だからこそ、スタッフの説明をきちんと「聞いて」「待つ」という練習にはとても適していると考えました。
そして今回の結果は―――うずうずしながらも、スタッフの説明が終わるまできちんと待つことができました!
またひとつ、みんなの「できた!」が見つかりましたね(*^-^*)
▼スライムプールで感覚遊び
それぞれ自分の作ったスライムで遊んだあと、集団療育のフィナーレはスライムプールです!
スライムプールとは、お子さまたちが作ったスライムをプールに入れて合体させ、1つの大きなスライムにする遊びです。
プールに入ってスライムを足で踏む感触を楽しんだり、小さくちぎって色とりどりのスライム団子を作ったりと、自由な発想で遊んでくれました!
●まとめ
「PARCひがしおおさか」では、開設当初より集団療育を取り入れたいと考えていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の流行があり、長い間断念していました。
それがようやく実った日となりました。
はじめての集団療育は、多くのお子さまの笑顔を見ることがでて、スタッフ一同胸いっぱいです。
今回の集団療育のテーマ「感覚遊び」では、触覚などを養うことはもちろん、
- 準備するものを覚えて取りに行く=ワーキングメモリーに繋がる記憶の保持
- スライム作りでおたまを大きく混ぜる=肩甲骨周りへのアプローチ
- お友達と物の貸し借り=コミュニケーション能力の向上
- カゴに材料を入れて運ぶ=姿勢の保持・筋肉の使い方を覚える
など、遊びを通してさまざまな経験を積んでもらうことができました。
今後も個別療育・集団療育の両方から、お子さまの「できた!」や「え?が、お!」を見つけていきます!