気温が上がり、暑い日が続いていますね。
夏と言えば、熱中症が心配な季節です。
今回は、熱中症と体温調節についてお話していきます。
熱中症になる原因とは?
熱中症になる原因は、体温が上昇して体温調節機能のバランスが崩れ、体内に熱が溜まってしまうことです。
体温が上昇すると身体は、過度な体温を維持するために、汗をかいたり皮膚温度を上昇させたりして熱を体外に放出します。
この機能が損なわれたことにより、熱中症が発症してしまいます。
熱中症になるとどんな症状がでるの?
熱中症になるとつぎのような症状がおこります。
- めまい
- 顔のほてり
- 筋肉の痙攣
- だるさや吐き気
- 汗のかきかたがおかしい
- 体温が高い
- 呼びかけに反応しない
- 水分補給が出来ない
などがあげられています。
子どもが熱中症になりやすい理由とは?
子どもは大人より熱中症になりやすいと言われています。
その原因が
①大人に比べて熱を体内で作りやすい
②暑い環境にいると、熱を吸収しやすい
③身体が小さいので、血液量が大人より少なく手足まで広がっていきづらい
④汗腺が未発達で、体温調節がうまくできない
⑤喉が渇いても自分で水分補給ができない、または申告できない
⑥大人に比べて暑さに順応することに時間がかかる
などと言われています。
体温について
腋窩体温の正常値は、36℃台~37℃台前半になります。
個人差があるため調子の良い時の体温を記録し、日内変動や季節変動で把握することが大切です。
脳の障害や自分で身体を動かす事が難しいお子さまは、中枢性の体温調節障害を合併、筋力低下や抹消環境が悪いことがあり、体温調節が難しい場合が多いです。
体温が上昇する要因はなに?
体温が上昇する要因は、感染症、脱水、環境温の上昇、筋緊張の亢進などがあります。
また、汗腺の発達が未熟であったり、抗痙攣薬等の副作用により発汗障害によって熱がこもりやすいお子さまもいます。
体温調節が難しく、体温が上昇しやすいお子さまには、「アイスノン」を使用してクーリングを行う、衣服の調節、扇風機の使用や室温を下げる等の対応を行っています。
体温が低下する要因はなに?
上昇するとは逆に、体温調整が難しく低体温になってしまうお子さまもおられます。
その要因として
- 重度脳障害による体温調節障害がある
- 環境温の低下
- 代謝の低下により、身体の中から熱を産生できない 等があります。
低体温になると何に影響がある?
低体温になると下記のような影響が出てきます。
・消化吸収不良(胃内容停滞、食欲不振)
・呼吸機能低下(肺痰困難、SPO2の低下)
・心機能低下(循環不全、徐脈、乏尿) 等
体温調節が難しく体温が低下しやすいお子さまには、電気毛布の使用、衣服の調整、掛物の調整や室内温度の調整を行い体温保温することが大切です。
脈拍について
脈拍数は年齢に応じて正常値が変動します。
脈拍数も体温と同様個人差があるため日頃から数値のモニタリングをすることが大切になります。
脈拍数が上昇する要因は?
①体温上昇
②脱水
③注入中または、注入後
④運動後、リハビリ後、筋緊張亢進
⑤痛み、ストレス 等があります。
心拍上昇は不快、不安、緊張のサインとしても捉えることができます。
「おしっこが出たよ」「苦しいよ」「暑いよ」「痛いよ」等、お子さまの重要な意思表示のことがあります。
心拍上昇がみられた際は、原因を探求し、急速な対応に努めます。
PARCウィルで行っている状態把握の方法
PARCウィルを利用された際は、体温測定やモニターのついているお子さまは脈拍数もモニタリングを行い、体調確認を行うことで調子の良い状態を把握しています。
調子の良い状態を把握することは体調不良時の指標にもなっています。
PARCウィルで行っている熱中症対策とは?
PARCウィルでも熱中症に気を付けながら療育を行っています。
- 体調不良がないか注意して観察を行う
体調不良時は、状態観察を行い、必要時は受診を提案する
- こまめに休息をとる
- こまめに水分補給を行う
- 発汗状況、排尿回数、排尿量、尿の性状の観察を行い、脱水症状がないか確認を行う
- 空調の調整を行う
- 扇風機、アイスノンを使用する
などといった、熱中症対策を行っています。
まとめ
PARCウィルを利用されているお子さんには熱がこもりやすい、低体温になりやすいお子さんが多くいらっしゃるためお子さんにあった環境調整を行い、快適に過ごすことができるよう努めています。
今年の夏も猛暑が続くと思われます。体調管理をしっかりと行い、熱中症対策に努めていきます。