重症心身障害のお子さまは、嬉しい時や「ちょっと苦手だな…」というときには表情の変化で教えてくれる子が多いです。
しかし反面、言葉で表現することが難しい子もいます。
今回は、そんな言葉で表現することが難しかったお子さまが、PARCウィルでの経験によって語彙が増加し、言葉でのコミュニケーションが増えたケースのお話です(*^-^*)
言葉でのコミュニケーションが増えたケース
- K君
- 中学1年生
- 脳性麻痺による痙性四肢麻痺
K君は小学5年生からPARCウィル城陽に通いはじめました。
通いはじめた当初、K君は痙性四肢麻痺があることに加えて人見知りだったこともあり、声を掛けられてもなかなかお話することができず、また初対面の人と目を合わせることが苦手でした。
そのため、スタッフがK君の表情の変化を見ることが難しく、言葉での意思表示も「はい」「いや」といった一言のみが多かったので、コミュニケーションが上手くいっているとは言い難い状態でした。
サポート①│スタッフの気づきと声掛けの変更
スタッフが少しずつ関わりを持ちながらK君の様子を見ていると、時々悩んでいる姿が見受けられました。どうやら、スタッフの問いにどのように答えたらいいのか分からないときに悩み、言葉での返答が難しくなっているようでした。
そのことに気付いたスタッフは、急いでK君との関わり方を改めました。
「○○がしたいですか?」「○○をやってみませんか?」など、K君がYES・NOで意思表示できる声掛けに変更しました。
サポート②│リラックスしてやりとりを楽しめる環境を作る
YES・NOで答えられる声掛けに変更してから、徐々にK君はスタッフと目を合わせてくれるようになりました。目が合うことでスタッフはK君の表情の変化を見ることができるようになったので、
「いま、K君はなにを考えているのかな?」
「どんな風に感じているのかな?」
「楽しく思ってくれているかな?」
と常に考え、感じられるようになりました。
このこともあり、スタッフはK君がより興味を持ってくれる会話や、リラックスしてもらえるような触れ合いができるようになりました。
結果│語彙の増加と言葉でのコミュニケーション
K君とのコミュニケーションがスムーズになってきたことで、K君の語彙もどんどん増えてきました。
PARCウィル城陽に通いはじめたときは、上述の通り「はい」「いや」といった一語のみの会話でしたが、今では「かぁちゃんに言おう」「イチャイチャした!」など、自分の伝えたいことを言葉で表現できるようになってきています。
また、表情も豊かになり、スタッフが声を掛けると、いつも「ニヤリ」と笑顔を見せてくれます( *´艸`)
まとめ
K君とのコミュニケーションは、リラックスしてやりとりを楽しめる環境を作り、その上で表情や声のトーンなどで本人からのサインを読み取ることが大事だと改めて確認するケースとなりました。これからもPARCウィルでは、
- 相手の気持ちを理解しようと工夫する
- 自分の気持ちを相手に伝えようとする
- 相手のことを常に想像する