前回、城陽消防署の救命士さんを招いてBLS講習会を受講しました。
今回も引き続き城陽消防署の救命士さんをお招きし、『バッグバルブマスク』の使用方法についての講習を受けてきました。
バッグバルブマスクとは?
「バッグバルブマスク」とは、口や鼻、気管切開部から手動で空気や酸素を送ることができる人工呼吸器具です。一般的にドイツのAmbu社で作られているものが知られているため、『アンビューバッグ』と呼ばれることもあります。
バッグバルブマスクを使用する理由
近年、一次救命には心臓マッサージだけでも効果があると分かってきたため、人工呼吸を実施する機会は少なくなってきました。しかし、窒素などで身体の酸素が著しく低下している場合、人工呼吸やバッグバルブマスクでの救命が必要となります。
PARCウィル城陽での「バッグバルブマスク講習会」
PARCウィル城陽には人工呼吸器を使用しているお子さんもおり、緊急時にはバッグバルブマスクを使用して空気や酸素を供給する必要があります。万が一の急変にも全スタッフが対応できるよう、今回も看護師、理学療法士、保育士、児童指導員の多職種で講習を受けました。
まずは前回の復習として、胸骨圧迫の振り返りを行いました。
救命処置は何度も本番に出合うわけではないので、日々の練習と復習がとても大切になります。
バッグバルブマスク講習│準備と使い方
続いて、本日のメインであるバッグバルブマスク講習です。バッグバルブマスクを使うには、まず気道の確保が必要です。
寝ている状態では舌が落ち込んで気道を閉塞してしまい、空気が上手く肺に入りません。
顎を上げることで舌の位置を変え、空気の通り道を確保します。
私も実際に体験しましたが、これがなかなか難しかったです(*_*;
コツを掴むまで何度も練習しました。
気道確保ができたら、いよいよバッグバルブマスクを使った換気を行います。
片手で気道確保の姿勢を保ちながら、口にマスクをしっかり当てて空気を送り込みます。
片手での気道確保は両手を使うときよりも力が必要でした。
また、マスクもしっかり密着しないと空気が漏れて送り込めません。
救命士さんに一人ひとり丁寧に指導してもらい、スタッフ全員が上手く空気を送り込むことができました。
また、実際の状況を想定し、
- 1人で気道確保とバックバルブマスクでの換気を行う方法
- 2人で気道確保とバックバルブマスクでの換気を行う方法
バッグバルブはアヒル口の手の形で持ち、胸が軽く膨らむ程度まで空気を送り込みます。
バッグを押す速さは6秒に1回程度が目安です。
その後、胸骨圧迫とバッグバルブマスクでの換気を組み合わせた心肺蘇生法を学びました。
胸骨圧迫30回、人工呼吸2回のペースで繰り返し行います。
特別講習「乳幼児の誤飲時の対応」
また、乳幼児の誤飲時の対応についても併せて習いました。誤飲といえばハイムリック法や背部叩打法などがありますが、これらの対応をしても誤飲物を取り除けないときは、ただちに心肺蘇生を開始します。
スタッフにも実際にハイムリック法を体験してもらいました。
まとめ
PARCウィル城陽では、医療的ケアの必要なお子さんやてんかんをお持ちのお子さんにも安心安全に通っていただけるよう、日ごろからスタッフ全員でお子さまの「もしも」に備えています。今後もさまざまな「もしも」を想定し、万が一実際に起こったとしても適切に対処できるよう、定期的に講習会を開いてきます。