前足から手の役割へ~手の解放~
ヒトの前足(上肢)が足としての役割から解放され、道具を作ったり使ったりして作業するための「手」として使われるようになったのは、今から約600万年前より以前だと言われています。
他にも、リスやアライグマ、チンパンジーなど、前足を手のように使う動物はいますが、
- つかむ
- 持つ
- にぎる
- つまむ
- 両手で道具を操作する
といった細かな手の動きができるのはヒトだけです。
特に拇指(親指)とその他の指の対向性によって「つかむ」「つまむ」という巧緻的な動きが可能であることが、ヒトの手の特徴の1つです。
そして、手を使うことで、ヒトの脳は他の動物に比べて飛躍的に大きくなりました。
つまり、手の解放こそ、ヒトが進化するきっかけになったといえるのです。
手はヒト固有の道具
ヒトの手は、その細やかな動きと感覚、特に何かに触れて確かめる「触覚機能」において、動物とヒトを隔てる固有の道具といえます。
ヒトの手がこうした役割を担えるのは、触覚・圧覚・温覚・痛覚などの皮膚感覚だけでなく、対象の振動や動きなどを感知する深部感覚を含めた体性感覚全体の働きによるものです。
視覚や嗅覚、聴覚などはヒトよりも鋭敏な感覚を持っている動物は多く存在しますが、触覚に関してはヒトに勝るものはいないといわれています。
ヒトは手で道具を作り、その道具を手で操作することで、より効率的に作業をこなします。
手で触れて対象の質感を感じとり、さらに細かな作業をします。
そして、この作業を繰り返すことで、手の機能をさらに高めています。
手の発達
手の発達には大まかに月齢に応じた発達段階があります。
ただし、発達の速さや凸凹は一人ひとり違うので、必ずこの通りなるわけではありません。
1つの目安としてご覧ください。
月齢別 手の発達段階
・0~2か月:把握反射(体重を支える)、把握反応
・5か月:5本の指すべてを使って物をつかむ(指の分離はまだ)
・7~8か月:親指、人差し指、中指の3指で物をつかむ
・10~12か月:親指と人差し指で物をつかむ
・1~2歳:つかんだり離したりはできるが、物との関係で時間的な遅れ
・5歳:遅いがほぼ目的にかなった使用が可能
・
・
・
・15歳:目的に沿った使用ができる
じょうずに手を使うためには、次のような段階を踏むことが重要です。
- 1~2か月:把握反射
- 3~5か月:尺側握り
- 6~7か月:橈側握り
- 8か月:三指つまみ
- 9か月:ピンセットつまみ
- 10か月:側腹つまみ
- 11か月:指腹つまみ
- 12か月:指尖つまみ
- 1~1歳6か月:手掌回外握り
- 2歳:手掌回内握り
- 3歳:手指回内握り
- 4歳:静的三指握り
- 5歳:動的三指握り
PARC(パルク)の作業療法士(OT)によるサポート
PARCには、日常の作業(動作)の専門家・作業療法士が在籍しています。
ヒトは誰でも日常の中で「作業」をしています。
たとえば、食べたりお風呂に入ったり、ボールを投げたり絵を描いたり―――。
そして、その「作業」の時に最も使う部分が「手」です。
作業療法士があそびの中でお子さまの手の発達状態を評価し、一人ひとりの発達に合わせた支援プログラムや新しいあそびの提案・サポートを行っています。
さいごに
子どもたちの「やってみたい!」「できるようになりたい!」を実現できるよう、作業療法士をはじめ、PARCスタッフみんなでこれからもお子さまを全力サポートしています(*^-^*)
また、保護者さまからの「この子、手先が不器用で…」「お箸がなかなか使えなくて…」「ハサミが上手に使えなくて…」などのお悩みについても、その子に一番合った解決策を一緒に探していきましょう!
子どもたちの「できた!」をいっしょに見つけましょう(^^)/
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