「子どものために、どんなことをしてあげられるんだろう?」
「もっと何かしてあげたいんだけど、家ではスペースも時間も限られているし…。どんなことができるか分からなくて…」
そんなお悩みを「PARCふくしま」の保護者さまから伺うことが度々あります。
忙しい毎日の中でお子さまと一所懸命に向き合っている保護者さまだからこそ、芽生える悩みではないかと思います。
遊びだけじゃない!生活の中にある子どもの成長要素
PARCの療育では、楽しい「遊び」を通して「できた!」という体験を積み上げていくことを大切にしています。でも実は、「遊び」の中だけでなく、「生活」の中にも子どもたちの「できた!」を積み上げながら成長を応援できる要素がたくさんあるんです!
今回は「生活」の中にある、子どもたちのためにできることをご紹介します。
子どもの成長を促す手先の運動
生活の中にある動作や作業には、身体の様々な動きを組み合わせることが必要です。さらに、集中力やルールを意識する力なども必要になるため、子どもたちの成長を応援できる要素がたくさん含まれています。
今回は、そんなたくさんの要素の中から「手先の運動」に着目していきます。
手先を器用に動かすための3つの段階
「手先の運動」というと、指先をイメージする方も多いかもしれません。
しかし、指先を器用に動かすためには、まず、しっかりとした土台が必要です。
この土台を作り、最終的に指先を動かすためには、下記の段階があるといわれています。
- 器用さの土台となる肩や手首の機能を育てる段階
- 手のイメージと5指の分離(役割分担)を育てる段階
- 両手の協調運動を育てる段階
➀器用さの土台となる肩や手首の機能を育てる生活動作
- 雑巾がけ
- 少し重たい荷物を運ぶ
- プチプチ(気泡緩衝材)を潰す
これらの動作には、手先を器用に動かすために必要な肩や肘、手首の安定性や固定性を育てる要素が含まれています。
日々のお手伝いや、プチプチを捨ててしまう前にゲーム感覚でやってみてくださいね♪
②手のイメージと5指の分離(役割分担)を育てる生活動作
- マヨネーズやクリームを絞る
- ゆでたまごの殻を剥く
- 自動販売機に小銭を入れる
- がま口やファスナーの開け閉め
▼マヨネーズやクリームを絞る
マヨネーズなどを絞る動作には、ぎゅっと握る動作があります。この動作には、
- 自分の手はどのくらいの大きさなのか?
- 今、自分の手はどんな状態なのか?
▼ゆでたまごの殻を剥く
ゆでたまごの殻を剥く動作は、たまごの感触をつかみながら力を調節する必要があります。力が強すぎるとたまごが潰れてしまいますし、弱すぎるとなかなか殻が上手に剥けません。
このように、物の感触をつかみながら力を調節することは、手先の器用さを育てることに繋がってきます。
ゆでたまごが難しい場合は、まずはミカンやバナナなどの皮むきから挑戦してみてくださいね♪
▼自動販売機に小銭を入れる、がま口やファスナーの空き閉め
自動販売機に小銭を入れたり、がま口やファスナーを開け閉めしたりすることは、5指の役割分担を育てる要素が含まれています。この5指の役割分担は、
- お箸を使う
- 鉛筆を持つ
お子さまと一緒に自動販売機で飲み物を買う時は、ぜひお財布からお金出すところからチャレンジしてみてくださいね♪
➂両手の協調運動を育てる生活動作
- ペットボトルや瓶の蓋を開ける
- 紙パックにストローをさす
- ホウキでちり取りにゴミを入れる
私たちは、左右の手を役割分担し、更に微妙な力加減をしながら同時に動かすことで、様々な道具を扱うことができています。
この両手を協調的に動かす力は、
- 文字を書く
- 定規を使う
最初は上手くできなくても、何度も繰り返し行うことで「ここを持てば上手くいくぞ!」と子どもたちもコツを掴んでいくはずです♪
まとめ
生活の中で手先の器用さに繋がる動作や作業をご紹介しました。紹介した中には、もうすでに生活の中でお子さまが行っていることもあったのではないでしょうか?
特別な環境や道具はなくても、生活の中で子ども達が何気なく行っている動作が手先の器用さに繋がっているんですね( *´艸`)
大人は何気なくペットボトルの蓋を開けていますが、子ども達にとっては1回1回が
「力加減はどうする?」
「手先をどう動かせば良いの?」
を学ぶ機会になっています。
そして試行錯誤した結果の「できた!」という自信が、さらなるチャレンジに繋がっていきます。
ぜひ、ご家庭の中でも「え?が、お!」を探してみて下さいね☆