今回は前回のブログの続きになります。
前回は5つの要因のうちの2つをご紹介させていただきました。
ぜひ合わせて読んでみてくださいね!
【https://parc.medi-care.co.jp/blog/186】
今回は、前回ご紹介できなかった3つの要因についてお話します(^^)/
要因③力のコントロールが苦手
筋肉や関節の動きを感じる感覚が上手く働いていない可能性があります。
「筋肉や関節の動きを感じる感覚」とは、場面に応じて力を入れたり、加減したりというような力の調節のことです。
この「筋肉や関節の動きを感じる感覚」の発達には、筋肉や関節からの情報に基づいた感覚「固有受容感覚」が重要な働きをします。
固有受容感覚とは
私たちは物を持ったり押したりするときに感じる抵抗感によって、物の硬さや柔らかさを感じとっています。
「柔らかいものはそっと持つ」という動きも、この感覚が重要な役割を担っているからなのです。
固有受容感覚が感じ取れないとどうなるのか
固有受容感覚をうまく感じ取れないと、物をすぐに壊してしまったり、人に対して強く叩いてしまったりといったことが起こります。
しかし、これはわざとしているのではなく、自分の力加減を上手く感じ取れていないため、力のコントロールが上手くできていないのです。
しかし、こうした子どもは「乱暴な子ども」と評価されてしまうことがあります。
また、こうした感覚は、筋肉の緊張状態を上手く保つことにも重要になってきます。
普段から姿勢が悪い子どもは、筋肉からの正しい情報がフィードバックされていない(意識されていない)ことが予想されます。
無意識に上手く力を入れ続けられないために、姿勢が崩れてしまうのです。
力をコントロールする感覚を育む遊び
子どもにこのような様子がみられた時は、鉄棒のぶら下がりや手押し車、アスレチック的な遊びを取り入れたり、綱引きや相撲など力を出しながら調整したりするような遊びを取り入れることで、発達が促されます。
要因④ものを見る力が弱い
動きや形を捉える力が弱いことが考えられます。
「ものを見る力」は視力だけでなく、視機能といわれる「両目をうまく使ってものを追う動き」や視知覚といわれる「形を捉える力」なども含まれています。
動きや形を捉える力は、道具や物を操作する時に重要となってくる力です。
いくら手先が器用でも、見える情報を上手く処理できないと、結果的にその活動が上手くいかず、「不器用」といわれる状況に繋がってしまうことがあります。
視機能を高める遊び
視機能を高める遊びとしては、ブロックや粘土などの立体的なものを作る遊びをおすすめします。
これらの遊びは、三次元的な空間を把握する力を育てます。
しっかりと物を見る遊び
しっかりと物を見る練習には、ふわふわ浮く風船をキャッチしたり、トスしたりする遊びがよいでしょう。
本を上手く読む力を育む
本が上手く読めない原因として、ページ全体の把握が苦手な場合があります。
そんなときは、見る場所に限定するという方法を試してみましょう。
例えば、本を開ける前に、洗濯ものを畳んだり整理してタンスにしまったりするなど「どこから始めれば良いか」という、目で見て段取りを立てる力を育てる機会があると「ここから読めばいいんだ!」という気付きにつながります。
要因⑤ボディイメージが捉えにくい
身体に関する感覚機能を捉えにくいという可能性があります。
子どもが自由に自分の身体を動かせるようになるためにはボディイメージを高めていく必要があります。
ボディイメージを高めるための重要な働き
ボディイメージは、車の運転でいえば車両感覚に相当します。
また、道具を上手く扱えるようになるためには、自分の身体をどのように動かしていくと道具を上手く操作できるかといった部分で、ボディイメージが大きくかかわります。
ボディイメージを高めるために重要な働きをするのが
- 触覚
- 固有受容感覚
- 前庭感覚
の3つです。
ボディイメージの発達には、全身の皮膚からの情報や身体を動かしたときに感じる筋肉や関節からの情報、歩いたり回転したりしたときに身体の位置の変化を感知する情報などがとても重要になります。
ボディイメージが発達することでどうなるの?
ボディイメージが発達してくると、自分の身体に手足があることや、人や物などとの位置関係を把握できるようになってきます。
これにより、人の絵を描く時、顔だけでなく身体や手足なども描くようになっていきます。
ボディイメージを高めることができる遊び
ボディイメージを高めるには、公園にある遊具のトンネルなどを使った遊びがおすすめです。
たとえば、トンネルをくぐるときに、「どれくらい身体を屈めればぶつからずにトンネルを通り抜けられるのか?」という情報処理を無意識に行う力が養われていきます。
この遊びを始めた当初は、トンネルに身体が上手く入りきらなかったり、途中で立ち上がって天井にぶつかってしまったりすることもあるかもしれません。
しかし、何度も遊ぶうちに「これくらい屈めばいいんだ!」「身体の向きを変えると通りやすい!」と気付き、子どもたちはボディイメージを高めていく事ができます。
他にも、着替えの動作もボディイメージを培うにはぴったりの日常動作です。
着替える動作には、自分の身体を洋服に当てはめていくイメージができるので、ボディイメージを高める効果が期待できます。
まとめ
前回と合わせて5つの要因とそれに合った遊びを書きました。
子どもの発達は人それぞれ、必ず個人差があるものです。
お子さまの発達に合わせた遊びを取り入れ、発達を見守っていきましょう!