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自発を促す支援を行うための5つのポイント


自発を促す支援 自発を促す支援を行うためのポイント 手の使い方 こだわりを活かす 物を使用する 適度なストレスを与える 効果的な誘い方 効果的な褒め方 看護師 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 児童指導員 保育士 児童発達支援管理責任者

支援では、声掛けでの行動を促すだけでなく、お子さまからの発信を見守り、自発的に行動できるように関わることがとても大切です。
支援者の役割は、お子さま自身が自分でやり方を発見して、工夫しながらより良い方法を見つけることができるように適切な活動を用意し、きっかけをつくることだと思います。
今回は、自発を促す支援を行うためのポイントを5つお伝えいたします。

自発を促す支援を行うためのポイント①できることから始める

お子さまは、できることは自発的に行ってくれるため、まずはできることでやり取りを行います。
特に発達初期の手の使い方、目の使い方に沿った活動は、お子さまも取り組みやすい活動です。

手の使い方の例

例えば、手の活動で挙げると
①叩く
②かき寄せる(手前に引く)
③払いのける(外側にすべらせる)
④掴む
⑤放す
⑥穴に落とす
⑦つまむ
などがあります。
これらの活動により、自分の手の使い方を見ることで、自分で自分のしたことが分かり、単純な遊びから規則性のある遊びへの学びに繋がります。

自発を促す支援を行うためのポイント②物を使用する

生後9か月を過ぎると、自分と他者の違いをはっきりと意識し、意識的に他者へ向かって発信します。
この時の発信手段は「視線」や「指差し」です。
生後9か月を超えたお子さまは、物を媒介して他者とコミュニケーションを行います。
物を見て、人を見て、発見を人と共有できることが分かると、それが喜びとなってやり取りが活発化し、人間関係が深まっていきます。
例えば、一緒に物を運ぶ、隠れた物を見つけて「あった!」と一緒に喜ぶなどが他者への関心を育てる効果的な方法となります。

自発を促す支援を行うためのポイント③こだわりを活かす

「こだわりを活かす」ということも、お子さまの「できる」ことの1つです。
こだわりは、「世界をそこから覗いているということ」ともいえます。
こだわりはお子さまと外の世界とを結ぶ貴重な窓口です。
こだわっているものには、お子さまが注意を向けているということであるため、何かを教えたい時には、お子さまが強く注意を向けている「こと」や「もの」を利用することがポイントです。
コレクションや物並べをはじめたら、お皿を重ねる、靴を揃えるなどを課題にしていくと効果的です。

自発を促す支援を行うためのポイント④適度なストレスを与える

葛藤場面が全くなければ人は幸せかといえば、実はそうでもありません。
むしろ乗り越えるべき課題がある時に、生きている意味を実感するのだと思います。
発達期にあるお子さまであれば尚のことです。
そのため、適度なストレスを生むように課題を設定しなければなりません。
特に、お子さまが意欲的・自発的に取り組むのは、「ちょっと頑張ればできそう」というゴールが予測できる場面です。
その目安は「間違えるかもしれないが、子どもが自分で考えて間違いを訂正できるくらいの課題」です。
そして、真にお子さまが「できた!」と笑顔を見せる瞬間は、自分で間違いを訂正できた時ではないでしょうか。

自発を促す支援を行うためのポイント⑤効果的な誘い方と褒め方

効果的な誘い方

  • 身体を動かす中で理解できる課題を行う
  • できる作業を行ってから本題に誘う
  • 支援グッズは子どもに見えないようにする
  • 「やろう」と提案するより「どっちにする?」と子ども自身に選択させる

効果的な褒め方

  • 課題が「できた」「できなかった」に関わらず、課題に応じたことを褒める
  • 期待した通りに行動すること褒めるのではなく、お子さまが「できた!」と思った瞬間に褒める(視線を送ってきたら速やかに褒める)

まとめ

「できないこと」を「できるようにする」という視点でお子さまの行動を見ていると、大切なことを見逃してしまうかもしれません。
お子さま自身で成長しようとしていることを応援するためには、先回りしないことが大切です。
しかし、それは何もせずに見守るということではありません。
お子さまがどのように課題解決をするのか、そのやり方を知り、成長の方向を導くこと。
また、適切な手立てを通してコミュニケーションが成立すれば、お子さま自身の力で課題解決の方法を見つけていくことができます。

参考文献:
西永堅,『子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本』,日本実業出版社,2020
立松英子,『発達支援と教材教具Ⅱ』,ジアース教育新社,2020

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