不器用さや運動面の発達の遅れには、5つの要因が考えられます。
今回は、その5つの要因と発達を促す遊びのうち3つについてご紹介します。
残りの2つは、②に続きますのでお楽しみに!
要因①両手が上手に使えない
1つ目の要因として、両手の協調性が発達していないことが考えられます。
両手を上手に使うには、まず利き側の発達が不可欠です。
「利き側」と「非利き側」の役割
利き側には、利き手や利き足、利き目や利き耳などがあり、それらはほぼ一方に揃っていることがほとんどです。
一方に揃うことで身体を動かすバランスが取れ、鉛筆で文字を書くことや、キャッチボ―ルなどの運動がしやすくなるからです。
利き側は3歳頃にその傾向が出始め、就学前にはほぼ決まります。
「利き側」と対になるのが「非利き側」になります。
利き側は主に道具を操作し、非利き側は固定や補助的な役割を担っています。
左右の役割分担が発達することで、両手が上手に使えるようになってきます。
利き手が決まるまでは自由に手を使おう
脳の発達で説明すると、左右の脳の機能分化と連携がなされていくことになります。
そのため、子どもが左利きの場合、「文字や絵を描くことだけは右手でさせたい」と考える人もいますが、実はそうすることで脳の発達を妨げる場合があります。
「利き手はどっちがいい?」ということではなく、両手の動作が発達していくことが最も重要なのです。
したがって、両手が上手く使えるようになるために、まずは利き手が決まるまでは自由に手を使わせてあげることが大切です。
そして、よく使う手が決まってきたら、左右の役割が異なる遊びをしていきましょう!
遊びは、手の動作に限らず、全身を使った遊びから取り入れていくとさらに効果を期待できます。
両手が上手に使えるようになる遊び
例えば、ボールを投げるときは、投げる手と反対の足が前に出るように促します。
また、両手の役割が異なる遊びとして、貯金箱にお金を入れるような活動があります。
非利き手で貯金箱を固定し、利き手でお金を入れるように促すと良いですよ。
要因②感覚の未発達
2つ目の要因として、感覚機能に偏りがあることが考えられます。
感覚には、五感といわれる「視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚」のほかに、筋肉や関節の情報をつかさどる「固有受容感覚」や揺れや傾き、スピードに反応する「前庭感覚」などがあります。
これらの感覚が過敏であったり、逆に鈍感であったりと、受け取り方に偏りがある場合は、その刺激に対して「好き」「嫌い」といったさまざまな反応を示します。
この「好き」「嫌い」がどちらか一方に偏りすぎてしまうと、外界からの情報がうまく受け取ることができず、脳や身体で処理することが難しい状態になります。
感覚で防御する認識が強くなる
皮膚感覚の「触覚」は、もともとは危険から身を守るための感覚だったともいわれています。
触って危険を感じることで、防御することを認識するのです。
偏食がある子どもの中には、味だけでなく口の中でベタベタする感触(マヨネーズなど)が嫌いで食べることが出来ない場合もあります。
というのも、腐っている物は大抵ベタベタするので、防御する部分が強すぎると本能的に拒否反応が起きるのです。
口の周囲にこの防衛的な反応が強い状態にあると、手や身体にも感覚の過敏性があることが多く見られます。
弁別する力の発達について
過敏な状態は、弁別する力の発達を阻害すると言われています。
「弁別する力」とは、例えば袋に入っていて目では見えないものを手で触って探り当てるといった力で、この弁別系の発達が阻害されると、不器用さにも繋がっていきます。
このような感覚機能の偏りが子どもにあり、過敏な場合は絶対に無理強いしないようにしてください。
感覚の受け取りは絶対的なものではなく、その人にしか分からない相対的なもので、ゆっくりと少しずつ慣れるようにしていくことが大切です。
逆に鈍感な場合は、その感覚に気付いていけるような工夫が大切になってきます。
まとめ
「両手が上手に使えない」「感覚が未発達である」2つの要因についてご紹介しました。
残りの3つは次回ご紹介しますね!
無理強いをしてしまうと、お子さまの発達に影響してしまうこともあります。
お子さまのペースに合わせてゆっくり発達を促してあげることが大切です。
ぜひ紹介した遊びをお家でもやってみてくださいね★
【次回:https://parc.medi-care.co.jp/blog/187】