「練習しても上手く字が書けないのはなんで?」
「うちの子はどうして字が綺麗に書けないのかな?」
こんな悩みを抱えているお子さんやご家族はいませんか?
何度も練習しているのになかなか上手く字を書くことができず、自信を無くしてしまうお子さんも中にはおられます。
しかし、自信をなくす必要はありません!
実は、ただ「書く」練習をしていてもなかなか字が上手くならないのは普通のことなんです。
それよりもまず、「どうして字が綺麗に書けないのか?」その原因を知ることが大切です!
字が綺麗に書けない2つの原因
そもそも「字を書く(=書字)」とき、私たちの頭の中ではどのようなことが起きているのでしょうか?書字を行うには、
①エンコーディング・・・「音(聴覚イメージ)」を「文字(視覚イメージ)」に変換すること。
②書字運動・・・頭に思い浮かんだ文字のイメージが手の運動を通して文字として表出されること。
の2つの力が必要になります。
ですので、書字が苦手なお子さんは
- エンコーディングが苦手なのか?
- 書字運動が苦手なのか?
「書字が苦手」と一言でいっても、字を書く時のどこに苦手を感じているのかによって練習方法が変わってくるからです。
例えば、算数が苦手なお子さんに計算の練習だけ行ったとします。しかし、算数は計算だけではありません。図形や面積、グラフなどもあります。
つまり、計算の練習だけをしていても算数全体ができるようになるわけではないのです。
まずは
・音を文字に変換する(エンコーディング)
・書字運動
どちらにつまずきがあるかを見てみましょう。
字が綺麗に書けない原因│①エンコーディングが苦手な子ども
エンコーディングにつまずきがあるお子さんは、字を書くときに手が止まってしまうことが多くあります。その場合は、まず音韻の認識がしっかりできているかを確認しましょう。
- じゃんけんグリコ、けんけんぱ、トランポリンで言葉の数だけジャンプしてみる
- 言葉の数だけシールを貼る
※音韻の認識とは?「研修会ダイジェスト「みんなで考える「読み書き」準備と支援」
遊びを取り入れた練習で音韻の認識ができたら、次に文字を指さしながら声に出して読んでみます。こうすることで、音と文字の関係性がわかりやすくなります。
また、しりとりや逆さ言葉などで遊ぶのもおすすめです。
字が綺麗に書けない原因│②書字運動が苦手な子ども
書字運動につまずきがあるお子さんは、- 字が汚い
- マスから字がはみ出る
- 字のパーツの配置が崩れやすい、線や点が多い
①字が汚い
字が汚いお子さんは運動をコントロールすることが苦手で、線なぞりや形なぞりが上手くできないことが多いです。そんなお子さんには、まずは正しい姿勢で座れているかを確認することが大切です。
(悪い姿勢)
↓
(正しい姿勢)
正しい姿勢になるだけで、グンと字が上手くなるお子さんも多くいます♪
また、ぬりえや迷路をはみ出さないように意識してなぞってみるのも良い練習になります。
他にも、砂場で字を書く、筆で書く、粘土で字を作るなど、いろいろなものに文字を書くことも効果的です。
②字がマスからはみ出る
字がマスからはみ出てしまうお子さんは、文字の構成や配置をイメージすることが苦手で、形を写す(模写)ことが上手くいかないことが多くあります。そこで、ひらがなをパーツごとに色分けしてみましょう。文字がどのような線でできているかをイメージしやすくなります。
また、空間の色分けをすることも文字の構成をイメージすることに効果的です。
カラーマスノートを取り入れるのも良い方法ですね。
(四つに色分けされたマスに書くことで、文字のバランスが良くなります)
③字が崩れる・線や点を多く書く
字のパーツの配置が崩れやすかったり、線や点が多くなったりするお子さんは、書き順や文字を覚えて想起することが苦手で、「形おぼえ」が上手くいかないことが多いです。- 背中に文字を書く「文字あてゲーム」
- 目をつぶって丸や三角などの図形やひらがなのワッペンなどを手で触って当てる「形あてゲーム」
まとめ
「書くことが苦手」と一言でいっても、原因は一人ひとり異なります。まずは
- エンコーディングが苦手なのか?
- 書字運動が苦手なのか?
自分に合った練習方法で綺麗な字を手に入れましょう!