食べ物の「好き嫌い」や「食べ渋り」があるお子さまは少なくありません。
栄養面を心配して「どうにかして食べさせたい」と悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
「偏食」とは特定のものだけを食べる、もしくは特定のものを一切食べないことを指します。
「偏食」はお子さまの好き嫌いやわがままが原因と捉えがちですが、発達障害の特性によって引き起こされている可能性もあります。
偏食の原因や対策例、発達障害との関係についてご紹介します。
偏食とは
偏食とは、一般的に特定の食品を嫌がって食べない、あるいは限られた食品ばかりを好んで食べるような偏った食事をすることを指します。
食事をする上で好き嫌いというものは、個人差がありますが多くの人が持っているものです。
しかし偏食の場合、その程度が激しく特定の食品しか食べない状況が一定続くことで、成長・発育・健康に必要な栄養素が不足しやすくなります。
偏食と一言で言っても、何を食べるか、また何を食べられないかは人それぞれのため、明確に「この食品を食べない場合は偏食」と定義することはできません。
偏食と好き嫌いの違いとは?
偏食の場合、特定の食品を全く口にしようとしない、もしくは特定の食品しか食べないという傾向があります。
好き嫌いの場合、何度か口にしたり、成長に伴いお子さまの味覚に変化が生まれることで味や触感等に慣れて食べられるようになることが多いです。
偏食のお子さまの場合、あくまでも一例ですが、以下のような特徴があります。
①食事中に頻繁にえずいたり食べ物を吐き出したりする
②特定の食べ物を出されると癇癪をおこす等強い拒否を示す
③食べ物を咀嚼することが難しい
④食べ物を口に含んだまま、飲み込むことが難しい
⑤新しい食べ物を極端に嫌がる
偏食の原因とは?
偏食の原因①口腔機能が未発達である
口腔機能の発達が遅れていると口をうまく動かせず、上手に食べることができないことがあります。
偏食の原因②感覚過敏がある
発達障害のあるお子さまの場合、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の感じ方に大きな偏りがみられることがあります。
感覚過敏としてみられる症状の中には「味覚過敏」や「嗅覚過敏」、「触覚過敏」というものがあり、これらが偏食につながる場合があります。
たとえば以下のような特徴がみられることがあります。
- 揚げ物の衣が口の中を刺すように感じられて痛くて食べられない
- 噛む音が不快で食べられない
- 特定のにおいが苦手で食べられない
偏食の原因③強いこだわりがある
発達障害の特性の1つに強いこだわりが挙げられます。
この特性が偏食の原因となる場合があります。
たとえば、以下のようなこだわりがみられることがあります。
- 毎日同じ食品を食べ、他の食品に興味を持たない
- 同じ食材でも加熱有無、刻み方の違い、味付けの違いなどの調理方法が変わると食べない
- 初めての食べ物を食べようとしない
偏食の対策例
偏食は体質や感覚が原因になることも多く、無理やり食べさせることで拒絶して嘔吐したり、トラウマから余計に食べられなくなったり、食事そのものを楽しむことが出来なくなったりすることもあります。
お子さまの偏食に悩んでいる保護者は多くいらっしゃいます。
そのような方の中には「食べられたらラッキー」「お腹が空けば何かを食べる」という気持ちで見守られている方もいらっしゃいます。
いつでもそのような気持ちでいることは難しいですし、偏食を放置していいというわけではありませんが、「食べること」自体がお子さまにとってストレスにならないよう、食事時間が楽しく過ごせることも対策の1つです。
●まとめ
PARCでは、実際に食材を使った取り組みは行っていませんが、おままごと遊びや食べ物が出てくる絵本の読み聞かせを行ったり、「どの野菜が好き?」「○○はどこかな?」など、ゲーム形式で食材に触れる機会を取り入れることで楽しく食事し、偏食への抵抗感を軽減できるように支援を行っています。
お子さまの心配事、悩みは尽きないと思います。
PARCには保育士・児童指導員・理学療法士・作業療法士・看護師が在籍しています。
些細な心配事、悩み事いつでも相談受け付けております。
お子さまの悩みの解決策を一緒に考えていきましょう。