保護者さまからの相談で多いのが「子どもの発音が気になる」と言うものです。
例えば
- 「さ行」が「た行」になる
- 「か行」が「た行」になる
そこで今回は、構音(発音)の発達とおうちで遊びながらできる構音(発音)の療育について、言語聴覚士がご紹介します(^^)/
ぜひ参考にしてみてくださいね。
(厳密には「構音」と「発音」は違うものですが、ここでは同様のものと捉えてご説明しています)
構音(発音)とは?
私たちが"ことば"を話すとき、脳から- 音を作り出す口唇(くちびる)
- 舌や下あごなどの器官
それぞれの器官がこの指令を受けることで、肺は空気を吐き出し、喉仏は声帯を震わせて声を作ります。
そして、最後に舌の形を変えたり唇を動かしたりすることで空気を震わせ、私たちは思い通りの音を作り出します。
この音を作る過程のことを「構音(発音)」といいます。
構音の発達段階
構音を獲得するにはいくつかの段階があります。日本語の音をすべて正しく言えるようになるのは6歳頃といわれています。
とはいえ、あくまでもこれは発達過程の一例です。必ずその通りになるとは限りません。
構音に限らず、発達には個人差があって当たり前のことです。
・1~2歳:母音(あ、い、う、え、お)、ぱ行、ば行、ま行、や行
・2~3歳:た行、だ行、な行、しゃ行、じゃ行、ちゃ行
・3〜4歳:か行、が行、は行
・4~5歳:さ行、ざ行、ら行
特に「さ行」や「ら行」は6歳以上でも獲得するのは難しいといわれています。
音を獲得できるまで、子どもたちは難しい音を簡単な音で言い換えて発音します。
[例]「さかな」→「しゃかな」、「ちゃかな」
おうちで遊びながらできる構音(発音)療育は?
①ご飯をよく噛んで食べる!
何気なく食べているご飯ですが、食べ物を食べる時にも私たちは唇や舌をたくさん使っています。
たとえば、食べ物を口に含むときに唇を使ったり、咀嚼した食べ物を上手に舌を使って食道へ送り込んだりしています。
実は、これらの動きは「"ことば"を話すとき」にも使っている大切な動きなんです!
ご飯を食べる時はたくさん噛んで、お口をいっぱい使って食べてみましょう♪
②顔ジャンケンをしてみよう!
顔ジャンケンは顔の体操になります。
【グー】目と口をぎゅっと結ぶ
【チョキ】唇をとがらせる
【パー】口を大きく開ける
上記のように顔を使ったグー・チョキ・パーでジャンケンします。
向かい合って行うので、親密度も上がりますよ( *´艸`)
人数が多くなるほど楽しく取り組めるので、トーナメント式にすると更に楽しめると思います(^^♪
また、唇を閉じる筋肉が鍛えられることで、食事の際の食べこぼし防止や上手な飲み込みにも繋がります。
(参考│ASOPPA 顔ジャンケン https://asoppa.com/asopparecipe/makes/3700338/)
③飴をだれが1番小さくできるかな?
飴を噛まずに舐めて、どこまで小さくできるかの勝負です。舐める動作は、口の筋肉と舌のトレーニングになるからです。
④ストロー鉄砲で敵を倒そう!
【準備物】- ストロー
- 紙で作った敵(トントン相撲で使う力士や、短冊くらいの紙を半分に折って立つようにしたものなど)
②舌は出したまま、ストローを舌と一緒にそっと上下の唇ではさみます。
※ストローが潰れないよう力加減に注意しましょう。
③準備OK!
④舌を出したまま、ストローから息を吹きかけて敵を倒します。
敵を一番多く倒せた人が勝ちです!
結構しんどそうな動作ですが、実はこの動きは舌のリラクゼーションや「さ行」を発音する時に必要の動きになっています。
敵をしっかり狙って「さ行」を獲得しましょう!
※息を吹きかける時、ストローに歯を立てないよう注意しましょう。
⑤うがいで勝負しよう!
いつも何気なくなっている「うがい」。
実は「か行」を発音する時の舌の動きになっています。
子ども達は勝負が大好きなので、保護者さまもぜひ一緒に「どっちが長くうがいできるかな?」と勝負してみてくださいね♪
※注意※
無理にうがいを長くすると、気管に水が入ってしまったり溺れてしまったりする可能性があります。
お子さんの様子をしっかり見ながら行ってあげてください。
まとめ
今回は、構音の発達段階とおうちで遊びながらできる療育をご紹介しました!PARCには、"ことば"の専門家「言語聴覚士」が在籍している事業所があります。
また、PARCはどの事業所にも訪問看護ステーションを併設しており、訪看スタッフとすぐに連携を取ることができます。
訪問看護には、次の専門家が在籍しています。
- 医療ケアの専門家「看護師」
- 身体の専門家「理学療法士」
- 手足の動きと"こころ"の専門家「作業療法士」
- "ことば"と食べるの専門家「言語聴覚士」