PARCふくしまでは、保護者さまから
「公園に遊びに行ったら、周りの子は友達と楽しそうに遊んでいるのに、うちの子はひとりで砂遊びばかりやっているんです…」
と、お子さまの「遊び」について相談をいただくことが度々あります。
子どもの成長には「遊び」がとても大切で、「遊びの場=学びの場」というのはご存知の方も多いと思います。
しかし、子どもたちは最初から「お友達と遊ぶ!」と、みんなでわいわい遊ぶわけではありません。
子どもたちが成長し、社会的スキルを発達させていくにつれて「遊び」というものはどんどん変化し、ひとり遊びから他者と共有するものになっていきます。
今回は、そんな「遊びの発達段階(順番)」についてご紹介します。
「遊び」の分類│発達心理学者パーテン
「遊び」の分類について、研究報告という形で最初に発表したのが、1930年代に活躍したアメリカの発達心理学者パーテン(M.B.Parten)です。パーテンは、子どもが自由に遊んでいる場面で「子ども同士の関わり方」と「遊びの観点」を6つに分類しました。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
遊びの発達段階
①何もしない行動(0ヶ月~3ヶ月)
何もせずぼんやりし、興味があるものがあれば見る、という時期です。
②ひとり遊び(0ヶ月~2歳)
玩具の取り合い以外は他の子どもと関わることはなく、自分の遊びに熱中する時期です。
③傍観者行動(2歳)
他の子どもの遊びを傍観し、口出しすることはありますが、遊びに加わろうとはしません。
④平行遊び(2歳以上)
お絵描きをしたり折り紙をしたりと、皆で同じ遊びをしますが、遊びが平行して展開するだけで子ども同士の関わりは見られません。ただし、「一緒に遊んでいる」という感覚はある状態です。
⑤連合遊び(3〜4歳)
遊びの中で子ども同士のやりとりがあり、道具の貸し借りができるようになります。しかし、役割を分担したり、リーダーシップをとったりする子どもは見られません。
また、同じ遊びをしていてもイメージが異なっていることが多く、例えば、積み木を一緒に遊んでいるときでも、ある子は「家」に見立てる一方、ある子は「お城」に見立てて遊んでいる、ということがままあります。
⑥共同遊び(4歳以上)
子ども同士で一緒に遊びながら、その中で役割を分担し、それぞれの子どもが違った役割を担って1つの遊びを展開します。遊びの中にルールを取り入れることが可能になり、子ども同士でルールを話し合うこともできます。
遊びの中でリーダーシップをとる子どもが現れる時期でもあります。
(参考文献│How Kids Learn to Play: 6 Stages of Play Development)
このように「遊び」には6つの発達段階があります。
しかし、これはあくまでも発達モデルです。
発達は個人差がとても大きいもので、すべての子どもがこのペースで成長するわけではありません。
PARCでの「遊び」支援
お友達と遊ぶ段階の「共同遊び」ができるようになるまでに、なんと6段階もステップがあるんですね!大人から「友達と一緒に遊びなさい」と言われても、子どもの発達が「連合遊び」や「共同遊び」レベルに達していないと「一緒に遊ぶってどうやって?」「コミュニケーションってなに?」と分からないことだらけなのです。
つまり、ひとりで遊んでいるからといって、即何か心配事があるというわけではありません。
その「ひとり遊び」こそが、お子さまの中の「遊び」の段階が発達している瞬間なのかもしれません。
PARCでは、お子さま一人ひとりの発達に合わせてスタッフがきめ細やかに対応しています。
少人数での利用だからこそ、発達に応じた関わりやお子さまの「お友達と遊びたい!」という気持ちを尊重できるチャンスがたくさんあります。
また、成長に合わせて大人が「お友達にはこうやって声を掛けて遊ぶんだよ」とお手本を見せることでコミュニケーションの芽生えを促し、次のステップへ向かえるようサポートしています。
まとめ
- 遊びには発達の順番がある
- 段階を経験させてステップアップするには大人のサポートとお手本が必要
お子さまの日常生活に遊びを取り入れること。そして、あらゆる年齢の子どもの成長にとって、遊ぶ時間はとても重要なことが分かったかと思います。
そんな「遊び」を大切に、「PARCふくしま」ではお子さまの「できた!」を保護者さまとも共有して日々の成長を見守っています♪
気になることがありましたら、お気軽にスタッフまでお声掛けください(^^)/