PARCふくしまでは、保護者の方から「うちの子はおしゃべりが苦手みたいで…」というご相談をよくいただきます。
小学校に上がる前のお子さまは、発語やことばの使い方、からだの動かし方など、成長の個人差がとても大きい時期です。とはいえ、やっぱり心配もありますよね。
そこで今回は、おしゃべりが苦手だったお子さまの言葉が芽生えた瞬間をいくつかご紹介したいと思います。
もしかしたら、お子さまの言葉の芽生えのヒントが隠れているかもしれません。
歌に合わせて気持ちを伝えよう!
1人目は、PARCに通い始めた当初、おしゃべりで自分の気持ちを伝えることが苦手だったお子さまのケースです。お絵描きが大好きなTちゃんですが、ある時、お絵描きで使いたい色鉛筆の色をなかなかスタッフに伝えられないことがありました。
そこでスタッフが童謡「どんな色が好き?」を歌いながら聞いてみると、「あか!」と答えてくれました。
これが1つの成功体験となったTちゃん。それからは自分の好きな色を歌で伝えてくれたり、カラーボールの色を教えてくれたりするようになりました。
今ではドレミマットを踏みながらマットの色を教えてくれたり、リズムに乗ってその時の自分の気持ちを伝えてくれたりするようになっています♪
おしゃべりが苦手なお子さまには、歌のメロディーや歌詞に乗せて好きな色や今食べたい物などを聞いてみることから始めてみるといいかもしれません(^^♪
動物の鳴き真似で言いたいことを伝えよう!
続いては、動物の絵カードを見てもそれが何の動物なのかを伝えることが苦手だったSくんのお話です。ある日、スタッフが動物の絵カードを見せながら鳴き真似をすると、Sくんは上手にスタッフの真似をすることができました。
そこですかさず保護者さまとスタッフで「Sくんが何を言いたかったのか分かったよ!」と伝えると、Sくんは自分の行動によって言いたいことが相手にきちんと伝わったと分かり、とっても喜んでくれました。
これが成功体験となり、現在Sくんは動物カードを見せるとその動物の鳴き真似をして伝えてくれています( *´艸`)
今後は動物だけでなく、いろんな絵カードを使ってSくんの伝えたい気持ちと言葉を引き出し、ステップアップしていきたいと思います。
今回は2人の「できた!」をご紹介しました。
おしゃべりが苦手なお子さまでも、少しのきっかけで「伝える」成功体験を積むことができます。そして、その成功体験から「伝えること」の楽しさをきっと感じられるようになりますよ♪
「感情のものさし」を使って今の気持ちを伝えよう!
更にPARCふくしまでは、今の自分の気持ちを伝えることが苦手なお子さまが、自分の気持ちを伝えやすくするための代替手段として「いま、あなたはどんな気持ち?」という「感情のものさし」を作成しました。この「感情のものさし」を使うことで、自分の伝えたい気持ちを指さしなどで簡単に伝えることができます。
伝えられることで周りの人もその子の気持ちを知ることができ、またその子も周りの人が自分の気持ちを理解してくれていることが分かるので、相互理解が深まるとともに、「伝わる」という成功体験にも繋がります。
まとめ
言葉の芽生えは人それぞれ。いつやってくるか分かりません。だからこそ、私たちはいつか来る芽生えの瞬間のために、さまざまな角度からアプローチしています。
PARCふくしまでは、お子さまが取り組む遊びに寄り添い、さまざまな可能性の扉(遊び)を示しています。そうすることで、お子さま自身がその扉を1つ1つ開けてチャレンジし、成長していくのだと日々感じています。これからも一緒に楽しくチャレンジしていきましょう(^^)/