
「呼吸器や胃婁があっても七五三の着物は着られるのだろうか」
そんな不安を感じているご家族は少なくありません。
医療的ケアが必要なお子さまや車いすを利用しているお子さまの場合、一般的な七五三の事例がなく、「うちの子には難しいかもしれない」と悩まれることもあるでしょう。
今回は、作業療法士の資格を持つ着付け師として、医療的ケア児の七五三着付けをサポートした事例をご紹介します。
安全面に配慮しながら、その子らしい晴れ姿を実現した当日の様子や工夫をお伝えします。
同じような悩みを持つご家族にとって、「うちの子にもできるかもしれない」と感じていただけるきっかけになれば幸いです。

「七五三を諦めたくない」ご家族の想い
今回ご相談いただいたのは、車椅子で生活し、呼吸器や胃婁などの医療的ケアが必要なお子さまのご家族でした。
「医療機器があるから着物は難しいかもしれない」
そう感じながらも、
「一生に一度の七五三だから晴れ姿を残してあげたい」
「きょうだいや周りのお子さまと同じような経験をさせてあげたい」
という強い想いを持たれていました。
安全面への不安と、特別な思い出を作ってあげたいという願い。
その両方に寄り添いながら、七五三を実現する方法を一緒に考える事からスタートしました。
医療的ケア児の七五三当日に大切にしたこと
医療的ケアが必要なお子さまのご家族は、日頃から体調管理や安全面を最優先に生活されています。
そのため、
「長時間の着付けは大丈夫だろうか」
「体調に負担がかからないだろうか」
「途中で苦しくならないだろうか」
といった不安を抱えるのは当然のことです。
私たちが大切にしているのは、安全に配慮しながらも、その子の魅力を最大限に引き出すことです。
単に着物を着せるのではなく、本物の着物を美しく着ていただき、ご家族みんなが特別な一日を心から楽しめるようサポートしています。
当日も、ご家族安心過ごせる今日づくりを心掛けながら着付けを行いました。

呼吸器や胃婁があるお子さまの着付けで工夫したポイント
医療的ケア児の七五三では、見た目の美しさだけでなく、「安心して過ごせること」が何より重要です。
事前にご家族と打ち合わせを行い、
- 呼吸器の位置
- 胃婁の位置
- 普段の姿勢
- 体調面での注意事項
- 医療機器の取り扱い
などを詳しく確認しました。
そのうえで、
- 医療機器やチューブに負担がかからない着付け
- 呼吸を妨げない帯や紐の調整
- 胃婁部分を圧迫しない工夫
- 車いすに座った姿勢でも快適に過ごせる着付け
- 短時間で負担をお最小限にする着付け
を行いました。
一人ひとり身体の状態は異なるため、その子に合わせた調整を行うことがとても大切です。

ご家族みんなが笑顔になった七五三の撮影時間
着付けが進むにつれて、お子さまの表情は少しずつ柔らかくなり、ご家族の緊張も自然とほぐれていきました。
完成した晴れ着姿をご覧になった瞬間、ご家族からは笑顔があふれました。
車椅子に座ったままでも、その子らしい可愛らしさがしっかりと引き立ち、とても素敵な晴れ姿となりました。
撮影中、「可愛い!」「とても似合ってる!」「素敵!」
といった声が自然と飛び交い、ご家族だけでなくスタッフも一緒になって喜びを分かち合う時間となりました。
お子さまを見つめるご家族のまなざしには、言葉では表現しきれないほどの想いが込められていました。
「写真だけでも残せてよかった」
その一言から、ご家族が積み重ねてきた思い出になったことを私たちも嬉しく思います。

医療的ケアがあっても七五三は諦めなくて大丈夫
呼吸器や胃婁など医療的ケアが必要なお子さまでも、一人ひとりの身体状況に合わせた工夫を行うことで、着物を楽しむことは十分に可能です。
大切なのは、「できる・できない」で判断するのではなく、その子に合った方法を一緒に考えることです。
今回の事例でも、
- 医療機器への配慮
- 身体への負担軽減
- 安全管理の徹底
- 短時間での着付け
など細やかな調整を行うことで、ご家族が安心して七五三を迎えることができました。
「諦めなくてよかった」
そんな声は、多くのご家族に共通する想いです。
お子さまらしい晴れ姿を残したいと考えている方は、ぜひ一度ご相談下さい。
私たちは、お子さまとご家族にとって大切な一日を、安心して迎えられるようにお手伝い致します。

