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個別療育における療育イベントの役割とは?課題分析(アセスメント)と多角的視点

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以前からInstagramブログなどでご紹介している「PARCあしや」の療育イベント!
今回は、定期的に開催している療育イベントの中でも先日開催した「トランポリンピック2021」を中心に、イベントで育まれる子どもたちの力とその様子をお話します(^^♪

 

PARCの療育イベントとは?

あそびの固定化とコミュニケーションの減少防止

「PARC」では個別療育を主としていますが、以前は定期的に集団療育も行っていました。
しかし、新型コロナウィルス感染症の影響で集団療育の開催が難しくなり、現在は子ども同士が関わる機会の設定が難しい状況となっています。
このような状況は、周囲の人の様子から新しいことに関心を持つことが多い子どもたちにとって、あそびの固定化やコミュニケーションの機会の減少に繋がりかねません。
そこで、子どもたちに新しいあそびに取り組んでもらい、更に他者とコミュニケーションできる機会を増やすために「PARCあしや」では療育イベントを開催することにしました。

 

療育における課題分析(アセスメント)


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(あそびの動作を分析中)
療育イベントの開催は、上述したように新型コロナウィルス感染症によるあそびの固定コミュニケーションの減少を防止するために始まりましたが、それに加えて療育における課題分析(アセスメント)を使って、子どもたちの発達を促す意味もあります。
療育分野での課題分析(アセスメント)とは、「1つの課題に対してどのような療育的要素が含まれているのか」を分析することをいいます。

たとえば、「ごはんを食べる」ことを課題分析(アセスメント)すると、
片手でお箸やスプーンなどを持つ
もう一方の手でお皿やお茶碗を持つ・押さえる
お箸やスプーンでごはんをすくう
ごはんが乗ったお箸やスプーンを口元に持っていく
お箸やスプーンを口に入れる
ごはんを噛む
ごはんを飲み込む
という細かい行動に分析することができます。
このように、一つひとつの行動に細かく分け、それぞれの課題について取り組んだり練習したりすることで「ごはんを食べる」という行動ができるようになります。

 

子どもが興味を持って自主的・積極的にチャレンジできる療育イベント

イベントの参加方法やあそび方を書いた大きなポスターを療育室に掲示することで、来所してきた子どもたちが自分でイベントポスターを発見できるようにしました。
自分で見つけることで、自主的にイベントへの参加を考えてくれるからです。
また、自分で「参加しよう!」と思ってくれることで、チャレンジ精神も向上し、積極的にイベントに取り組んでくれる「ねらい」もありました。

▼これまでに開催した療育イベント
  • 季節にちなんだハロウィンキャラクター総選挙
  • クリスマスのサンタポストと絵繋ぎ
  • 36の基本動作ビンゴ
  • 日本一周ダーツの旅
などのイベントを開催してきました♪

 

子どもが間接的コミュニケーションを知る療育イベント

新型コロナウィルス感染症の影響で、お友達との直接的な関わりはやはり難しいのが現状です。
そこでPARCあしやが考えたのが、「間接的コミュニケーションの場」です。

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(トランポリンピックの攻略一覧。お友達の攻略具合が一目で分かります)
療育イベントを通じて、直接的にお友達とお話したり遊んだりするのではなく、絵や文字でのやり取りや、お友達のイベント進捗を知ることで間接的にコミュニケーションを取る、というものです。
たとえば「日本一周ダーツの旅」。
S君「僕がまだ行ってない福井県にKちゃんが行ってる!僕も今日は福井県に行くぞ!」
Kちゃん「S君が福井県まで制覇してる!S君に負けないように、今日は広島県と岩手県に行く!」
など、直接顔を合わせなくとも、地図を見れば「誰が」「どこまで」進んでいるのかが一目で分かるので、お話したり触れ合ったりすることはできなくても、間接的にお友達とコミュニケーションを取ることができます。

 

新しいトランポリン遊びを提案!療育イベント「トランポリンピック2021」


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今回ご紹介する「トランポリンピック2021」は、療育室で子どもたちが使っている小型トランポリンをテーマに課題分析(アセスメント)を実施した結果、立案した療育イベントです。
専門分野も個性も異なる7人のスタッフで「トランポリンを使って、どんなあそび方ができるだろう?」と検討した結果、20種類以上のアイデアが挙がりました。
中には大人も夢中になってあそんでしまうようなアイデアもあり、この多様なあそび方を子どもたちに知ってもらうことで活動の幅を広げてもらえるのではないかと考え「トランポリンピック2021」を開催しました。

 

あそび方を図鑑にして目で見て分かりやすく

課題分析(アセスメント)勉強会の中で挙がったトランポリンあそびの案は、図鑑形式することで目で見て分かりやすく子どもたちに提示するようにしました。

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(トランポリンピック図鑑)
「いつも一緒に遊んでいるスタッフが図鑑の中にいたら、親しみやすいんじゃないかな?」ということで、スタッフが遊んでいる様子の写真も載せて、世界に1つだけの図鑑ができあがりました( *´艸`)

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(トランポリンピック図鑑の中身)
そして、療育室の奥が定位置となっていたトランポリンを療育室中央に移動!
いつも療育室の様子をよく観察してくれていた子は、来所するとすぐに「あ!トランポリンの場所が変わってる!」と気付いてくれました。

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さらに「トランポリンピック2021」というイベント名は、2021年の一大イベントだった東京オリンピック・パラリンピック2020にちなんで命名したことから、トランポリンの写真で五輪を模したオリジナルロゴを作りました。
玄関に掲示すると、子どもたちはこれにもすぐに気付いて「オリンピックだ!」「パラリンピックだ!」とリアクションしてくれました( *´艸`)

 

トランポリンを使った「的当て」は子どもの体幹や運動機能を鍛える

トランポリンのあそび方図鑑には「ケンケンで跳ぶ」や「とことこ相撲」など様々なあそび方を掲載しましたが、中でも一番人気だったのが「的あて」です。

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これは、頭上に掛けられた数字のフラッグめがけて、トランポリンでジャンプしながらカラーボールを投げるというあそびです。
ジャンプしながらボールを投げる動きは、
  • 体の軸を意識してトランポリンの中央で跳ぶこと
  • 頭の位置が変わる中でも対象となるフラッグをしっかりと目で捉えること
といったように、同時にいろいろなことを行わなければなりません。
また、この動きには体幹を鍛えたり目の動きと腕や手の動きを連動させたりする良い練習にもなります。
このように、子どもたちは難しい課題にもいきいきと取り組み、冬でも汗だくで夢中になってくれる姿がとても印象的でした。
また、今回のイベントの題材となった小型のトランポリンは、同じものをお持ちのご家庭も多く、保護者の方からは「家でのあそび方の参考にします!」というお声をいただきました(^^)/

 

まとめ│個別療育と療育イベント

個別療育の良さの1つとして、自分のペースで好きなあそびに熱中し追及できるという点があります。
その反面、新しいあそびや苦手なことにあえて取り組む機会が少なくなってしまうという面も持ち合わせています。
PARCの個別療育の「自分のペースを大切にする」という環境の中だからこそ、新しい「できた!」に出会えるように、PARCあしやでは療育イベントを通して、今後もさまざまな提案をしていきたいと考えています。
私たちスタッフにとっても、あそびのバリエーションや提案方法、子どもたち一人ひとりの育ち方に多角的な視点を持つ良い機会となっています。

現在も次のイベントに向けて始動中!
PARCあしやが、いつでも自分らしく過ごせる「みんなの居場所」であると同時に、いつ来ても新しい発見に出会える場所となるよう、これからも楽しいイベントを開催していきます。
次回の療育イベントもお楽しみに!
 

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