おうち時間が増える今、お子さまにお手伝いをしてもらう機会が増えているのではないでしょうか。
日常の些細なお手伝いの場面でも、実はお子さまの達成感や充実感にたくさん繋がっているんですよ(^^)/
役割付与支援とは? 子どもに合った役割を付与することで意欲が高まる
あなたは「役割付与」という言葉を聞いたことはありますか?役割付与とは、子どもに合った役割を提示・付与することをいいます。与えられた役割が興味関心の高いものであればあるほど、より意欲的に取り組むことができるといわれています。
今回は、「PARCあしや」でのイベント『○○の部屋』の製作過程における「役割付与支援」の一場面をご紹介します!
PARCあしやのイベント『○○の部屋』とは?
『○○の部屋』とは、みんながほっと一息ついたり、楽しくすごしたり、考えごとをしたり、さまざまなことに使う部屋です。決まった使い方がないので『○○(自分の好きなことばを入れてね)の部屋』となっています。
お気に入りの部屋に入ることで気持ちを落ち着かせたり切り替えたり、ほっと安心できたり。あなたはどんな部屋で過ごしたいですか?
工夫して見つけてみてくださいね。
[部屋の使い方の例]
- ライトや音楽を自分で調整してほっとできるお気に入りの場所にする
- プラネタリウムセットで星空を観察して気持ちを落ち着かせる
- ステンドグラスを眺めて気分を切り替える
イベント『〇〇の部屋』については、PARCのInstagramで発信しているので、ぜひそちらも見てみてくださいね(*^-^*)
役割付与支援=分かりやすい関係性と役割を子どもに提示する
今回はイベント『○○の部屋』を作っていく中で、壁部分の貼り付け作業をAくんとBくんに「役割付与」しました。
Aくん
- 特徴:はずかしがりや、ゆっくり過ごすことが好き、相手に譲ってあげることが多い
- 役割:高い場所の採寸作業。Bくんに採寸したサイズを伝える
- 目標:Bくんやその場の状況に応じた言葉遣いに使い分ける。Bくんと一緒に取り組む。
Bくん
- 特徴:体を動かすことが好き、積極的に相手に関わることができる、アイディア博士
- 役割:採寸が必要な場所を提案する。Aくんから伝えてもらったサイズを記入する
- 目標:自分の考えをAくんに伝えながら、相手の様子に応じて関わり方を工夫する。
Aくんへの役割付与
1.役割付与スタッフから作業のお手伝いをお願いすると、Aくんは「なんですか?ものによります」と言いながらも、興味を持って耳を傾けてくれました。
2.実行
壁の幅や高さの採寸作業で「○○cmだよ」とBくんに伝えてくれることはもちろん、シートを貼り付けているBくんの様子を見て、自主的に協力する姿もありました。
また、小さな声ではありましたが、自分の意見をBくんにしっかり発信していました。
3.結果
次の利用時には、修繕が必要な場所があることにも気がついてくれました。Bくんとだけでなく、スタッフとも一緒に修繕方法について話し合うことができました。
Bくんへの役割付与
1.役割付与スタッフが作業のお手伝い依頼すると、Bくんは興味津々で早速取り組んでくれました。
2.実行
スタッフやAくんに積極的に自分の意見を伝え、Aくんの様子を確認しながら2人で協力して作業を行うことができました。
時折「Aくん、ここも測ろうよ」とAくんに提案する姿や、自分の役割を意識しながら測った寸法を図面に記入し、低い場所の採寸作業ではメジャーの端っこを持って手伝ってくれました。
3.結果
壁のシートを貼り付ける作業だけではなく、ステンドグラスの作成やレイアウトについてもAくんやスタッフと話し合い、お願いした仕事以外の作業も手伝ってくれました。
(『○○の部屋』制作計画イラスト)
↓↓↓
完成!!
みんなで『○○の部屋』を作り上げることができました( *´艸`)
積極的な子も消極的な子も声かけと見通しを立てることで協力できる
『〇〇のへや』のステンドグラス作成に協力してくれた子どもたちの様子もお伝えします!完成品を見て「きれい!自分も作りたい!」と興味を示してくれ、思い思いの作品を作ってくれました。
自分で作ったものを保護者さまやスタッフに披露して感想をもらうことで、とってもうれしそうな表情を見せてくれました。
中にはスタッフと一緒に作った作品を家で飾ってくれているという、うれしい報告も聞かせてくれました♪
一方で「えー!先生がやってよー!」と消極的な子もいましたが、スタッフの「できるよ!一緒にやろう!」という声掛けと、完成品を見ながら見通しを立てたことで「自分にもできるかも?」とステンドグラス作りにチャレンジしてくれました。
具体的な役割付与で子どもに「目に見える成果」を
このように、役割や目標を具体的に提示することで「目に見える成果」や「達成感」を得られたり、他者からの評価を受けることで自信につながったりして、より一層「これならできる!もっとやってみよう!」といったチャレンジする気持ちや「褒められた!うれしい!」という感情が芽生えやすくなります。子ども一人ひとりに合った役割を付与し、達成することとで、相手からの信頼感・達成感・充実感に繋がっていきます。
通所だけでなく保育所等訪問支援の場でも「役割付与支援」は大切
「PARCあしや」では、スタッフ間で話し合い、子どもたちの個性や強みを活かして新しいことに挑戦ができるよう支援を行っています。またPARCでは通所型の療育だけではなく、保育所等訪問支援も行っています。
保育所等訪問支援でも、その子の強みに合わせて役割を付与することが支援の1つとして活用されています。
例えば、パソコンが好きな子は操作方法をお友達へ教える役割を果たすことで、お友達から頼られていると感じることが達成感や充実感に繋がっているお子さんもいます。
まとめ
何気ない日常の一コマでも、お子さまが意欲的になれるお手伝いをお願いすることで、自己肯定感・達成感・充実感に繋がります!ぜひ、おうちでも意識してみてくださいね♫
また次のブログもお楽しみに♪