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「お片付けができない子ども」から「お片付けができる子ども」に変わる工夫

片づけられる子ども 片づけられない子ども 片づけられる工夫 お片付けボックス 見通しを立てる 芦屋市 児童発達支援 放課後等デイサービス パルク芦屋 パルクあしや

保護者さまから「前はちゃんと片付けられてたんですけど…」「お片付け競争に誘ったら一生懸命やってたんですが、最近その手が使えなくなってきて…」といったお悩みをよく聞きます。
「お片付け」、あなたも一度は悩んだことがあるのではないでしょうか?
PARCあしやでも「お片付けが苦手な子どもに、どうやってアプローチしていこうかな?」ということがよく話題になります。
そのたびに事例検討を重ねているのですが、今回はその中でも「お片付けができた!」成功事例についてお話します。
 

お片付けを「嫌なもの」にしないためには?

まずはスタッフ間で
  • どうすればお片付けが「嫌なもの」でなくなるのか?
  • 遊んだ後はお片付け、という気持ちに持っていくにはどうすればいいのか?
を考えながら、アイデアを出し合いました。

 

「お片付け」というネーミングを変える

「お片付け」という言葉自体が「嫌なもの」としてインプットされているかもしれない。
もっと楽しそうなネーミングに変えてみる。

 

時間的なスケジュールを一緒に作る

一緒に予定表を作成し、提示することで見通しを持たせる。

 

ご褒美シールやチェック表

やったことをホワイトボードに書き出し、お片付けするたびにチェックできるようにする。

 

お片付けの時間に決まった音楽を流す

好きな音楽を聴きながらなら、楽しい気分でできるかも?

 

お片付けボックスの設置(空箱を用意し、出したものを全て入れられるようにする)

元々あった場所に戻すのは大変でも、一つの所にまとめるなどお片付けのハードルを下げてみる。
おもちゃを出す時に「ここに入れられる分だけにしよう!」と自分で見通しを持って調節する力もつけていきたい。

 

魔法のステッキ(散らかった部屋もこのステッキ一振りでピッカピカ)

プリンセスになりきったり、演じたりするのが好きなお子さんなら楽しんでできるかも。

 

競争、ポイント制(ゲーム感覚)

「お片付け」=「嫌なこと、楽しくない」という概念を変え、遊び感覚で始められるようにする


(スタッフでアイデアを出し合います)

様々なアイデアが出たところで、似たような意見でグループ分けし、子どもの様子をイメージしながらどんなアプローチで進めていくのかを話し合いました。
話し合いの結果、今回は「魔法のステッキ」と「お片付けボックス」を使ってお片付けを促してみることになりました。
 

「お片付けできない」から「お片付けできる」に変わる工夫

魔法のステッキを使って、お片付けの場所を視覚的に確認する


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(いつでもプリンセスや魔法使いになれる魔法のステッキ!)
 

【アプローチ:1回目】

Nちゃんに魔法のステッキを渡すと、「うわぁ!」とすぐにステッキを手に取って「ビビディバディデブー!」と魔法の言葉を唱えてノリノリな様子。掴みはバッチリでした!

【結果】

しかし、そこから更にテンションが上がってプリンセスごっこが始まってしまい、この時はお片付けには繋げられず……。

【振り返り】

魔法のステッキには興味津々だったため、遊びの展開やその時の様子も考慮しながら、次回も魔法のステッキを使って再度アプローチしてみることになりました。

【アプローチ:2回目】

次の来所時、Nちゃんが遊びの中に魔法のステッキを取り入れ、魔法使いになりきって遊んでくれていました。
スタッフはNちゃんが考える魔法の国の地図を一緒に描き、お片付けの時に地図を使って片付ける場所を確認しました。
Nちゃんが残したいという場所(お城、お花畑など)はその想いを受け止め、それ以外の場所のお片付けをお願いすると、すんなり受け入れてくれました。

【結果】

今回は地図によって視覚的に片付けをする場所を確認し、そのまま残したいという所はその想いを受け止め、片付ける場所を選択してもらうことでお片付けに繋げることができました。
 

 

お片付けボックスを利用して、見通しを立てる力をつける

【アプローチ】

遊びの最中にスタッフが箱を組み立て始めると、Dくんは興味津々で見つめてきてくれました。
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(折りたたまれた状態のお片付けボックス)

「今日のお片付けはこの箱の中に集めるんだよ。だからこの箱に入る分だけ出そう!」とスタッフが事前に声を掛けました。
お片付け時間になり、スタッフが「ここ(お片付けボックス)に全部入れるよ」とおもちゃを入れ始めると、Dくんも一緒に入れ始め、何個か入れた後に「これは、ここ(お片付けボックス)じゃないよ」と自ら元あった場所に片付け始めました。

【結果】

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(組み立てたお片付けボックス)

たまたま組み立て式の箱であったこともあり、珍しかったのかDくんの興味を引けたことで、「お片付け」自体にも興味を持ってもらえました。
これにより、お片付けボックスに入れなくても元の場所に片付けるという思いを芽生えさせるきっかけになったのではないかと推察します。

【振り返り】

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(お片付けできました!)

今後も必要に応じてお片付けボックスを利用していきながら、箱に入る分だけおもちゃを出すといった「見通し」を持って調整する力を養い、少しずつ元の場所に戻すお片付けにも繋げていきたいと考えています。

 

「お片付けボックス」は工夫すれば大活躍してくれるアイテム

お片付けボックスを利用してくれた他の子どもたちの様子もお伝えします。
「ここに全部集めよう!」と箱を組み立てると興味津々で箱を見つめ、エンジンが掛かったかのように使ったおもちゃをお片付けボックスの中に集めてくれます。

【結果】
組み立て式のボックスを使うことで、お子さまの興味を引くことができました。
また、元の場所に片付けるのはハードルが高いですが、手押し車に乗せて運んだり、目一杯持って運んだりしても、口の広いお片付けボックスであればガサっと一気に入れられる手軽さがあるので、お片付けに繋げられたと考えます。
 

PARCあしやの療育

このようにPARCあしやでは、子どもたちの療育を進めていく上で困ったことや気になったことをスタッフ同士で共有し、話し合う時間を設けています。
スタッフ間で色んなアイデアを出し合い、実践して、また共有し……上手く行かないこともしばしばありますが、チームで向き合っているからこそ、上手く行かなくても反省点を見つけて次のアプローチに繋げることができています。
保護者の方も一緒にアイデアを出し合いながら、お子さまにとって良い方法を見つけていきましょう!

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