お子さんに「力を加減してほしいな」と思うことはありませんか?
「PARCにしのみや」には木琴や太鼓などの楽器がありますが、これを目いっぱい強く叩くことが大好きなお子さんがたくさんいます。
思いっきり力を出して、大きな音が鳴ると、楽しい気分になりますよね♪
しかし、これが楽器ではなく人相手になってしまうと、保護者さまもハラハラです。
早く力加減を覚えてもらおうと、
「優しく置いてね」
「強く叩いたら痛いよ」
「今は小さな音にしようね」
という声がけをしたこともあるのではないでしょうか?
ですが、初めから力加減が分かっている子どもは誰もいません。
なぜなら、力加減とは、感覚(固有受容覚)の認知過程の発達や自分で運動した経験から段々と身についていくものだからです。
固有受容覚ってなに?
固有受容覚とは、
- 筋肉にどれくらい力が入っているか
- 関節がどれくらい曲がっているか
- いま、自分がどんな姿勢をしているか
などを感じ取る感覚のことです。
もし固有受容覚が感じ取りにくい状態のまま成長すると、力のコントロールが苦手になってしまいます。
固有受容覚が感じ取りにくい具体例
たとえば、力のコントロールが必要な場面で「気をつけよう!」と思っていても、ちょうど良い力加減が分からず、強くなってしまったり弱くなってしまったり……ということが起こってきます。
具体的には、
- おもちゃを丁寧に扱うことが苦手
- お友達を押し倒してしまう
- 姿勢をまっすぐに保てない
- 筆圧が非常に高い・低い
- コップにジュースを注ぐ時、勢いよく傾ける
などの特徴が挙げられます。
時にやる気がないように見られてしまったり、乱暴にしているように思われてしまったりすることがありますが、決してそうではないのです。
力加減を覚える遊び
力加減が分からないのであれば、「もっと強くして」「そおっとだよ」と声を掛けながら繰り返し練習すればいいのでしょうか?
もちろん、それも1つの方法です。
しかし、冒頭で述べたように、今回のキーワードは「固有受容覚」と「運動の経験」です。
言葉だけでなく、運動を伴うことでより有効に「力加減」を学ぶことができるので、ぜひ参考にしてみてください。
「固有受容覚」と「運動の経験」のために、PARCでは次のような遊びを療育に取り入れています。
①ものを壊さない、お友達と仲良くスキンシップする練習遊び
ものを使ったりお友達と遊んだりする前に、まずはウォーミングアップとして、思い切り力を出せる遊びします。
最初に強い感覚を経験することで、次の活動での感覚を受け取りやすくなるからです。
PARCでは、「ボルダリング」や「トランポリン」、「綱引き」などを行っています。
(ボルダリング)
(トランポリン)
(綱引き)
・PARCのおすすめ遊び
▼ゆっくりラジオ体操 動きまねっこ遊び
ラジオ体操をゆっくり、そして大きく動いて行います。その動きをお子さんに真似してもらうことで、運動の経験を積んでもらいます。
もしお子さんがゆっくりラジオ体操に「慣れ」や「飽き」が出てきたら、スピードを速くしたり遅くしたりして緩急をつけて楽しむのも◎
また、動きはラジオ体操じゃなくても大丈夫!
大きく身体を動かす体操や遊びであればOKです。
②ちょうど良い筆圧でお絵描きする
・クレヨンが折れてしまう → 筆を使ってお絵描き
筆を使うことで、力を入れなくても描ける感覚を経験します。
特に筆先を使ってお絵描きすると更に効果的です。
・絵や文字が薄い → 紙の下に紙やすりを敷く
やすりを敷くことで紙と鉛筆の摩擦が強くなるので、筆圧を高くしたいときに有効です。
※言葉掛けで「強く書いて」と言ってしまうことがありますが、このような声掛けは鉛筆や食器を握る動作に悪影響が出る恐れがあるため、なるべく控えましょう。
③座った姿勢を保つ(座位保持)
平均台でバランスを取ったり、うんていで体を支えたりする遊びが効果的です。
PARCではターザンなんかもよく取り入れています。
(ターザン)
・PARCのおすすめ遊び
▼バランス遊び
平均台が難しかったり怖かったりする子は、線の上を歩くだけでもO K!
難易度の設定の目安は、お子さんが繰り返し楽しんでいるかどうか。
難しすぎても簡単すぎてもすぐにやめてしまいます。
/自信が付いてきた!もっとやってみたい!\
↓↓↓
(難易度を上げていきます)
▼エアクッション・バランスディスクに座る
身体のちょっとした傾き、座面の揺れの感覚が手掛かりになり、姿勢保持や体幹の強化に繋がります。
(バランスディスク)
まとめ
以上が、PARCで行っている「固有受容覚」と「運動の経験」をキーワードにした遊び療育の一部でした。
もちろん、力のコントロールが苦手な原因は「固有受容覚」以外にもさまざまな原因が考えられます。
お子さんのことで気になることがあればお気軽にスタッフにご相談くださいね(^^)/
<参考文献>
鴨下賢一.発達が気になる子へのスモールステップではじめる生活動作の教え方.中央法規出版,2018.
鴨下賢一.発達が気になる子への生活動作の教え方.中央法規出版,2013.
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