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摂食・嚥下障害がある子どもの食形態とは?

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私たちは当たり前のように「食べる」ことを楽しんでいます。
しかし、実は「食べる」機能は私たちが生まれた時から持っているものではなく、生まれてから徐々に発達し獲得していったもの、ということをご存じですか?

 

障害児の摂食・嚥下障害

障害を持つお子さまは、様々な理由から食べることが困難、もしくは断念しなければいけないことが少なくありません。
特に重症心身障害のお子さまは、麻痺のため十分に身体を動かせず、骨格筋代謝が減少し、エネルギーが十分に使えずに基礎代謝が低下しやすいです。
さらに摂食・嚥下障害をおこすことで十分な栄養が摂取できず、低栄養状態に陥ることもあります。
また、食べることによって食べ物が喉に詰まり、窒息する恐れや誤嚥によって食べ物などが肺の中に入ってしまい、誤嚥性肺炎を起こす可能性もあります。
このようなことが起こらないよう、「食べる」ための工夫や栄養管理を行い、健康を維持することが大切です。

 

食形態とは

食形態とは、その人の摂食・嚥下機能に応じて、ミキサー食やきざみ食など、安心で美味しく食べられる調理形態のことをいいます。
一人ひとりに合った食事形態をとることによって、誤嚥を防ぐことができ、また本人も食べやすく、味や匂いを存分に感じながら食事を楽しむことができます。

ここでは、口腔機能の発達に合わせた食事形態の工夫と調理ポイントをご紹介します。

 

①嚥下開始食

離乳した頃、口を閉じて「ごっくん」を練習し始めるときの食事を「嚥下開始食」といいます。
水分にトロミをつけ、喉をスムーズに通過できる食べものが適しています。

▼ポイント

・水分でむせない程度の硬さでトロミをつけます。
・経管栄養から経口摂取の第一のステップでもあります。

 

⓶嚥下食

嚥下食とは、物を飲み込むための練習食です。
口の中や喉などに粘膜に付着しにくく、べたつきやざらつきがないように調理した食べものが適しています。
この嚥下食がさらに進むと、食べものを上唇で取り込みながら捕食する「訓練食」になります。

▼ポイント

・すべての食材を裏ごし、またはミキサーで粉砕します。
・繊維やつぶつぶの残らないもので、口に入ったらそのまま飲み込める形状が望ましいです。
・牛乳やスープは硬めのトロミをつけると飲み込みやすくなります。

 

⓷押しつぶし食

舌で押しつぶせる程度の柔らかい食べものが適しています。
食材によってはトロミをつけると飲み込みやすくなります。
しっかりと口唇を閉じて、舌で食べものを上唇に押し付け、つぶしながら食べる練習食です。

▼ポイント

・舌の動きを使って潰れるくらいの柔らかさがベスト。
・水分が少なく、もったりした状態が望ましいです。
・野菜などは圧力鍋で煮ると柔らかくなりますよ。

 

④咀嚼食

奥歯や歯茎で潰せる硬さに調理した食べものが適しています。「モグモグごっくん」の練習食で、食べものの大きさは一口大程度にすると飲み込みやすいです。

▼ポイント

・指で軽く潰せる柔らかさがベスト。
・舌で潰せる硬さに調理するため、繋ぎとしてでんぷん質が多く含まれる食材(じゃがいも、山芋、里芋、インゲン豆など)、または食感を生み出すために魚肉(はんぺん、魚のすり身など)の練り物などを使用した食材が適しています。

 

症例│胃ろう増設後、胃ろうと経口での食事を併用して体調が良好になった小児ケース

  • Sちゃん
  • 現在13歳
  • 食事摂取量低下により体重減少気味だった
  • もともと食事量が少ない
  • 胃ろう増設済
  • 支援学校生

Sちゃんが胃ろうを造設するまで

Sちゃんは、小学5年生のときの体重が16kgと低体重傾向でした。
もともと食事量が少なく、体調不良になりやすいお子さまでした。嚥下状態も悪く、トロミを使用しないとむせ込むことが多く、水分や食事が上手く取れませんでした。
あるとき、肺炎を起こして入院したことをきっかけに、Sちゃんに胃ろう造設の話が出ました。
しかし、お母さまは「口から食べられる内は胃ろうを作りたくない」と受け入れに不安がありました。
実は、お母さまは胃ろうを作ると経口摂取ができなくなると思っていたのです。
そのお話を聞き、PARCウィル城陽の看護師スタッフが、胃ろうを造設しても口で食べることができる旨を説明しました。
また、主治医の先生にも働きかけてより詳細な説明をお願いしたところ、お母さまは胃ろうがどういうものであるかを正しく理解し、胃ろうの造設を決意されました。

 

胃ろう造設後の食事形態

胃ろう造設後、初めは朝昼夕と胃ろうでの食事を中心としていましたが、しばらくしてSちゃんの体力が回復してきたのを機に、PARCウィルから「昼食と夕食は口からの食事を開始してみてはどうでしょうか」とご提案しました。
Sちゃんの嚥下・咀嚼機能は、舌で上顎に食べ物を押し付けて潰し、喉へと送り込む動きが中心です。
そこで、押しつぶし食ときざみ食の食形態をお母さまにご提案しました。
Sちゃんは現在、朝食を胃ろう、昼食と夕食を押しつぶし食または咀嚼食で摂り、平均よりも軽かった体重が増加、体調不良の頻度も減ってきています。

このように、その子に合った食事形態で食事を摂ることで、体調が良くなり、成長や発達が促されるということを実感できるケースとなりました。

 

まとめ

PARCウィル城陽では、摂食・嚥下に障害があったり、食べることに困難さを感じていたりするお子さまへの食形態のご提案なども行っています。
看護師や言語聴覚士など、専門スタッフがアセスメント、アドバイスを行いますので、ご安心ください。
すべての子ども達が「食べる」ことの楽しさを知ってもらえるよう、今後も活動していきます。
 

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