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楽しみながら身体を動かす!音楽教育リトミックとは?

リトミック 音楽を通じてコミュニケーション 表現力 リトミックで育まれるセンス リトミックの基本 看護師 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 保育士 児童指導員

あなたは「リトミック」という言葉を聞いたことがありますか?
リトミックとは、「表現したい!」という子どもたちの気持ちを育てる音楽教育のことです。
音楽を楽しみながら、感性や表現力を身につけることを目的としています。

音楽が教えてくれる幸せな時間

リトミックは幸せな瞬間を味わうための体験

音楽は一人ひとりの成長を育み、幸せな時間を感じることができるものです。
たとえば、ある子は音楽センスを高めるために、ある子は音楽を演奏したり歌ったりする喜びを味わうために、またある子は音楽を通してコミュニケーションを楽しむために、リトミックを体験して幸せな時間を味わいます。

「知っている私」から、「体験した私」になる

リトミックは、「音楽によって自己表現を果たすための空間」です。
この空間では、「知っている」ことよりも、「体験した」「感じた」ことが重要になります。
そのため、刻々と変化する音楽に対してからだの動きで応答する(音楽のゆくえを身体で表現する)ことが大切です。

「表現したい!」という欲求を満たす

音楽は、音楽だけで完結するものではなく「運動的」「言語的」に結びつけられることが重要となります。
感情は動きや言葉を導きます。
音楽も同様で、私たちが音楽を表現するとき、からだの動きや言葉によって何かを表したくなります。
リトミックは、その「表したい!」という欲求を「音楽」「動き」「言語」によって満たします。

リトミックで育まれるさまざまなセンス

  •  注意力、集中力、セルフコントロール、記憶力の向上
  •  空間の認知、からだの認識
  •  他者との接触、責任感、社会的統合
  •  バランス感覚、運動の統合、自立したからだの動き
  •  創造性、感受性、音楽性、ニュアンスの感覚
  •  リラックス、癒し

からだを動かすことで、イメージや身体のバランス、リラックスなどさまざまな感覚を体験するこができます。
これらの感覚は想像性(想像する力)や創造性(創りだす力)を育み、音楽の表情力を伸ばすだけでなく、他の芸術や生活、学習においても表現力を発揮し、子どもたちの成長を促します。

リトミックで学習する

人は「知っていること」には親近感をもち、「知らないこと」に出会うと緊張しますね。
リトミックでは、全員が音楽に参加できるように、すでに知っていることや体験したことから始めることを大切にしています。

たとえば、知っている歌を歌ったり、知らない曲でも既に獲得している身体の動き(手を上げ下ろししたり、身体をスイングさせたり、ジャンプしたり)を織り交ぜたりして、「知っていること」に「知らないこと」を足して経験できるように工夫しています。
そうすることで、「知らない世界に出会う」おもしろさや楽しさをきっと感じてもらえると思います。

 

●リトミックの基本:ビート(拍)・ダイナミクス(強弱)とテンポ

ビート(拍)

リトミックによって体験することの最も基礎となる音楽的要素が「ビート(拍)」です。
ビート(拍)をなじみの言葉や動作に置き換えるなどの工夫で体験しましょう!
特に0歳~3歳児に対しては、知っている言葉や馴染みのある動作に置き換えて、持続できる範囲でビートを体験しましょう。

4歳~5歳児になってくると、ビートを長時間キープすることができるようになってくるので、いろいろな動作などを取り入れて楽しむのもいいですね。

実践①:ビートを言葉に置き換えてみよう!

0歳~2歳頃の幼いお子さんの場合、親と子のパーソナルな関わりが多くなります。
ですので、大人が「ほっぺほっぺ…」と唱えながらお子さんのほっぺをチョンチョンと触ったり、頭や耳、鼻などを触りながら「あたま」「みみ」「はな」などを唱えたりしながらビートを刻むと効果的です。

3歳頃からは、部屋にある机や電気などを指しながら「つくえつくえ…」「でんきでんき……」と唱えると効果的です。
いずれの場合も、言葉と動作をリズミカルに重ねるのがポイントです。

実践②:ビートをなじみの動作に置き換えてみよう!

お子さんが知っている動物、たとえばゾウやイヌ、ウサギ、小鳥などの模倣動作をします。
他にも、お掃除(ほうきで掃く、ぞうきんで拭く)やお料理(スープを混ぜる、包丁でトントン切るなど)の仕草など、知っている動作を真似ると効果的です。
いずれの場合も、速いビート、普通のビート、遅いビートに似合う動作を取り上げてみましょう。

実践③:楽器にチャレンジしてみよう!

模倣や想像活動を通して体験したビート感を身近な楽器で表現してみましょう!
たとえば、カスタネットや太鼓、鈴、など。
あるいは手作りの楽器を用いても楽しいですよ!

▼ダイナミクス(強弱)とテンポ

ダイナミクス(強弱)とテンポは、音楽のニュアンスを生み出すときに大切な要素になります。
ダイナミクス(強弱)とテンポの違いを、空間の広さと結びつけて表現してみましょう。

実践①:強弱と空間を関係づけましょう

たとえば、弱い音楽のときは、床に寝転んで休む。
強い音楽のときは、両手を広げて大きく振る。
などの動作で強弱を体験します。
音楽が弱くなるのに合わせて、だんだんしゃがんで小さくなり、だんだん強くなったら背伸びをするなど、音楽の「強い・弱い」の違いを、空間の広い・狭いに置き換えることで、強弱がだんだんと変化する様子を表現します。

実践②:テンポと空間を関係づけましょう(例:動物の動きの模倣)

動物の動きを模倣する活動は、テンポの違いを比較する体験として効果的です。
速い動きにはリスやネズミ、小鳥などの動きを、遅い動きにはゾウ、カバ、ワニなどの動きを、中くらいの速さの動きにはウサギやイヌ、ネコなどの動きが適しています。

実践③テンポの違いを比較しましょう

テンポの遅い音楽のとき、重い荷物を背負っていて足が重くて動かない様子を表現したり、速い音楽のときは、身軽でウキウキと駆け足をするといった動きを通し、テンポの「速い・遅い」を比較することができます。
このようなテンポの違いをあらわす活動では、ステップの歩幅に留意してみましょう!
遅い音楽のときは歩幅を広く、速い音楽のときは歩幅を狭くします。

 

まとめ

リトミックは、子どもと大人のコミュニケーションの空間です。
子どもの音楽的発達は、大人と一緒に参加する楽しい音楽的経験によって高められます。

子どもは大人に歌いかけられたり話しかけられたりすることで、歌ったり話したりすることができるようになっていきます。

1人で音楽に聴き入るのももちろん素晴らしい音楽体験です。その上で、人との関わりながら味わえる音楽も楽しんでみませんか?

大人は子どもの年齢と経験に合った温かなはたらきかけを行います。そのことがきっかけで「音楽が好き」「人が好き」と感じてもらえたら素敵ですね。

さあ、お子さんと一緒にリトミックを楽しんでみませんか?
一緒に遊び、動き、歌い、笑い、そして「一緒になにかをするって素晴らしい!」と思えるような環境を作っていけるといいですね(*^^*)

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